保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

都民の目線に立った予算編成を

公開日 2001年02月15日

東京都の2001年度予算原案が発表された。この予算原案は、昨年強行された医療・福祉切り捨てを本格的に実行する予算になっている。

老人医療費助成(マル福)は新規に対象になる人がいなくなり、対象年齢は66歳~69歳になる。老人福祉手当は、5万5000円だったものが今年度4万1250円に減らされ、さらに来年度は2万6500円となり、2002年度からは廃止される。重度障害者手当も所得制限が導入されて支給対象からはずされた人に直接的な被害が及び始める。月6万円の支給が来年度は4万円に減らされ、2003年度にはゼロになることになっている。特養ホームヘの補助は今年度、121億円削減され、100億円の予算となったが、来年度はさらに30億円削られている。

また、東京の介護基盤整備は大変遅れている。老人保健施設の定員や在宅介護支援センターの整備率状況は全国最低。デイサービスセンターは46都道府県中44位にとどまっている。介護療養型医療施設の整備も進んでいない。東京は今や「福祉後進県」になったといわれるまでになっている。

その一方で、臨海部を含めた1都3県にまたがる都市再開発や、東京湾新空港、環状道路網整備などを内容とした「東京圏メガロポリス構造」を打ち出し、これまで以上の超大型開発事業に乗り出そうとしている。来年度予算では投資的経費を218億円(3%)削減したとしているが、実際は臨海副都心開発、汐留の都市開発、環状道路など大型開発は温存・拡大している。投資型経費はバブルの前の2倍、1兆円を超える高水準をいまだに維持している。都民に大切な生活基盤を整備する公共事業については、都営住宅や公社賃貸住宅の新築はひきつづきゼロ、都市公園の整備は46億円、中小河川の改修も35億円減らすなど、年々先細りになっていると指摘されている。

東京都の医療・福祉切り捨ては「財政難」を口実にしていたが、都税収入は今年度3600億円、来年度は4800億円も増収になると見込まれている。切り捨てられた医療・福祉を復活するのに必要な財源は、来年度予算で約400億円程度とされており、財政上も都税増収の1部を回すだけで復活できる。介護保険の利用料・保険料の減免や大幅に遅れている介護の基盤整備も緊急の課題である。

来年度予算原案では、都民の強い要求となっていた乳幼児医療費助成制度の拡充が盛り込まれた。同制度は当初マル福やマル障とともに「見直し」の対象とされていたものである。また、被爆者の介護保険利用料助成、障害者施設整備の拡充なども予算化されている。切り捨てられた医療・福祉の復活、介護基盤の緊急整備や民間医療機関の支援等を求め、都民とともに運動を進めていくことが重要になっている。

都民生活に関する世論調査(2000年6月調査)では、「都政に対する要望」で最も高かったのは「高齢者対策」であり、第2位が「医療・衛生対策」になっている。東京都は都民の切実な声に真摯に耳を傾け、都民の生活と健康を守る立場で予算・施策を展開するよう強く要望したい。

東京保険医新聞2001年2月15日号より