保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

都議会選挙に望む

公開日 2001年06月15日

東京都議会議員選挙が間近にせまっている。東京の医療・福祉はこの4年間で、どのように変わったのだろうか。高齢者、障害者、小児、公害医療に限って挙げてみても、実に15項目にも渡る切り捨て、切り下げが行われた。制度の廃止、本人負担の導入等さまざまな型で都民が負担を強いられている。

東京都老人医療費助成制度(マル福)は、対象年齢が漸次繰り上げられ、2006年には廃止。本年6月末日時点で63歳以下の高齢者は、マル福を受けられない。すでに、本年度のみで9万6000人もの高齢者がマル福を受けられない、という影響を及ぼしている。心身障害者医療費助成制度(マル障)は、老人医療費と同じ自己負担が導入され、所得制限も強化された。65歳以上では新規にマル障が認められない。しかし、一方では乳幼児医療費助成制度(マル乳)の対象年齢が就学前まで拡大され、所得制限も緩和された。対象者は、現在より約25万人増える見込みだ。一部において、一定の前進がみられたとはいえ、過去に東京都の医療・福祉は全国最高を誇っていたが、この4年の間に、全国最低水準にまで落ちてしまっている。

都議会では、青島都知事時代には医療・福祉の切り捨て案を全会一致で否決するなど、医療・福祉の改廃を許さなかった。その都議会が石原都知事の就任後に一転、医療費助成制度等の切り捨て、切り下げに賛成してしまった。都知事によってこうも態度を変えるものかと、議会各会派の態度の豹変に強い不信感を覚えるが、何より最も大切な都民の声を大切にする、都民本位の立場を忘れているのではないか。自民、公明両党などは、石原与党の立場をとり、都知事人気に便乗しているように映る。石原都知事に擦り寄る及び腰な議会・政党は、議会の権威を失墜しているとさえ感じさせる。

小泉首相の「聖域なき構造改革」の全体像が明らかになるにつれ、社会保障の大幅な改悪がみえてきた。構造改革の断行、自立自助を大義名分に強者の論理と、弱者切り捨てが計画されている。石原都知事も、医療への民間営利企業の参入や都立病院の民営化など、医療・福祉に対するさまざまな改悪を計画している。こうした中で、都民の代表である議会は都民の声、要望に耳を傾け、都民の立場に立った態度を当然とるべきである。都民を無視したような、医療費助成制度の切り捨てに見られる、議会各党の一転した態度は決して許されるべきものではない。

協会は、都議選全予定候補者に医療費助成制度復活などを盛り込んだ「保険医の重点要求」を送付した。都民の立場に立ち、都民の生活と健康を第一に考えるべきであり、公約として是非掲げて欲しい。都知事の人気に便乗するのではなく、都民の生活や健康を第一に考え、医療・福祉切り捨ての影響を重視し、都民本位の政策を打ち出し、公約として掲げていくべきである。引き続き、医療福祉の充実が最大の争点となるよう、働きかけていかなければならない。

東京保険医新聞2001年6月15日号より