保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

医学的根拠のない新点数に抗議し、断固、再改定を求める

公開日 2002年05月25日

「再診料が4回目から半分」「器具による消炎鎮痛等処置も5回目から半分」「後発医薬品を含む処方箋は2点高くなる」等々-2002年4月点数改定は、医学的に何の根拠もない驚きの内容である。特に再診料と消炎鎮痛等処置などで改定の影響を大きく受けた整形外科では、公称2.7%の10倍、20%以上の引き下げとなった医療機関もある。

以前の点数改定では、看護要員が極端に少ないために老人病棟の看護料がいきなり半分になったことがあったが、その根拠は明確であった。また1988年の点数改定で特定薬剤治療管理料の算定要件が変更され、抗てんかん剤等を除き、初回月は300点加算、2~3月目は所定点数を、4月目以降は所定点数の半分を算定することとされた。今回の再診料の改定とよく似ているところもある。しかし、全面的には納得できない理由であったが、特定薬剤治療管理をするための薬物血中濃度の測定が初回月に比べると少なくて済むケースが多く、半分では困るが初回月よりも管理費用が少なくとも差し支えないという厚生省(当時)の説明は一応の根拠を持つものであった。さらに算定頻度は再診料よりはるかに低く、赤字になる患者がいても全体でその赤字を吸収することもできた。この点は今回とは大違いである。

今回改定された点数の中で一番算定頻度が高い再診料について考えてみたい。まず、なぜ4回目は点数が半分なのか。4月16日の参議院厚生労働委員会で厚労省の大塚保険局長は「同じ再診でも1回目と4回目では診療密度が異なることがある。また頻回受診の抑制というねらいもある」と述べている。しかし、診療密度は1回目、2・3回目、4回目以降とこれほどまでにも達うものなのだろうか、月が変われば急に診療密度か濃くなり点数が高くなるものなのか、診察の料金が安くなれば患者は逆に集まってきて受診抑制にはならないのではないかなど、次々に疑問が湧いてくる。厚労省の答弁としてはあまりにもお粗末である。

さらに、毎日多くの患者に算定するものであるにもかかわらず複雑すぎる。この患者は今月何回日の受診か、厚生労働大臣の定める患者か、15歳未満か、乳幼児加算の有無は?などの判断をしていく業務は非常にわずらわしい。この他に継続管理加算、外来管理加算、時間外等加算の算定要件も併せて考慮しなければならず、素早くかつ正確に扱うのは至難の業である。医療機関は事務センターではなく、患者の診療をするところであり、このような複雑な点数は現場を混乱させる。200床以上の病院で算定する外来診療料にもまったく同じことが言える。

このほか1.消炎鎮痛等処置やリハビリの逓減や算定制限、2.年間の手術件数が施設基準として設けられている件数に達せず、新施設基準の届出ができないと手術料が7割に減額、3.180日超長期入院の特定療養費化など、医学的根拠不明の改定が目について仕方がない。

このような不合理を多く含む新診療報酬に対し、早急な再改定を望む声が多く上げられている。坂口厚労大臣は4月16日の厚生労働委員会で「今後3か月間様子を見て、診療報酬請求高の粗い集計値を中医協で検討してもらう」と述べている。

新点数の運用は既に始まっている。厚労省は3か月様子を見るなどという緩慢な対応ではなく、早急に各方面の声と具体的な数値を自ら調査・収集して医学的根拠を考慮した再改定の論議に着手すべきである。

東京保険医新聞2002年5月25日号より