保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

東京都医療費助成制度の改悪に抗議する

公開日 2002年10月25日

健保法・老健法の10月改定がついに実施された。先の強行採決以来、国民への周知は殆どなく、情報も乏しいため現場も患者も混乱し、協会主催の説明会には予想を大きく上回り、会場から溢れんばかりに参加者が押し寄せた。

老人医療対象者は定額制廃止により1割か2割負担となり、窓口負担は青天井に徴収され、月額負担上限を超えた分は患者の申請による償還払い制となったため、高齢者の不安感は増大している。

在総診算定患者や入院では現物給付となったものの、在宅患者や高価薬注射、特殊検査や外来手術を要する方の負担金は多大なものとなり、月8千円の負担額を聞いて「往診には、もう来なくてよい」「酸素チューブを外してほしい」と患者から切実に訴えられ、「どうしたらよいか」という会員からの声が協会に多数寄せられている。医療費の貸付制度や患者の負担金を軽減させる助成制度も厳しい条件が付くこともあり、どのようにしたら患者負担が少なくて済むのかに気を遣い、頭を悩ますばかりだ。

協会は、8、9月に都福祉局、健康局と来年度予算・医療福祉施策の充実を求めた交渉を行い、医療福祉施策の充実を担当者に直接訴えてきた。また、「東京都医療費助成制度についての緊急の要請書」を都知事・都議会議長宛に提出し、負担増に困惑する患者への配慮として、老人医療、マル福やマル障対象者に対する一部負担金を従前の負担に据え置く等、独自の助成制度を創設して頂きたい旨も要請した。さらに、都全区市町村長・議会議長宛にも働きかけた。「健保法等改定に関わる要請」「結核・精神の国保付加給付に関する要請」を提出し、高額医療費、高額療養費の手続きの簡素化、低所得者の多い結核・精神の患者自己負担の軽減を要請してきた。

しかしながら、国のマル老改悪に連動して、東京都議会はマル福、マル障、ひとり親の東京都医療費助成制度を改悪する条例改正を9月30日に可決・成立させた。これらの制度は、窓口では月額負担上限まで徴収すればよいとされるなど、協会の要望も一部採用されたものの、国の医療福祉施策の切り捨てに一層の拍車をかけるものとなっている。冒頭にあるような会員からの声は、事の重大さを表わしている。

負担金が払えない患者から、医療と健康を奪う今回の国と都の暴挙は到底容認できるものではない。

東京都は、「TOKYO福祉改革STEP2」を掲げ、「選択」「競い合い」「地域」をキーワードに、利用者本位の自己責任のもと、福祉改革を進めるとしている。しかし実際は、医療費助成制度の切り捨て、都立病院改革、社会福祉施設からの撤退など、医療福祉施策の切り捨てが目白押しである。

協会は石原都政の医療福祉切り下げに反対する都民、関係者と力を合わせて、これら施策を食い止め、東京の医療福祉を守り、拡充するために引き続き力強く運動を進めていく。

東京保険医新聞2002年10月25日号より