保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

4師会の共同声明を歓迎する

公開日 2003年01月25日

昨年12月11日、日本看護協会が加わった4師会は、健保本人3割負担の実施凍結、高齢者の自己負担軽減、医療への株式会社参入阻止、混合診療の導入反対を掲げ、連携して国民運動を展開するとの声明を発表した。さらに、12月20日の官邸、厚労省、自民党への要請行動に続いて、12月24日には銀座数寄屋橋、有楽町東京圏際フォーラム付近で街頭宣伝活動を行った。ちなみに当該団体会員数は、日本医師会・15万6000人、日本歯科科医師会・6万2000人、日本薬剤師会・9万1000人、日本看護協会・52万人で医療界最大の団体による運動である。しかるに、この画期的な声明・行動を一般マスコミは完全に黙殺した。

この声明は、昨年4月の診療報酬マイナス改定、10月の高齢者定率負担導入、外来総合診療料の廃止による医療経営の苦境を棚上げにしても、公的保険による国民医療を守るという観点から発せられた内容である。医療専門家集団として、全世界的に高い評価を受けている公的医療保険制度の崩壊を許すわけにはいかないのである。クリントン政権は、増加し続ける無保険者、増加し続ける医療費国庫負担(日本の国庫負担よりはるかに高額)、株式会社に蝕まれた米国の医療制度を立て直すべく、日本の医療制度を視察した。しかし、これだけ医療従事者に犠牲を強いた日本の医痺制度を真似ることはできないと結論づけた。それでも、私たち医療従事者は、犠牲の上に成り立っている医療保険制度ではあっても、国民医療を守るため、現行の医療保険制度の維持改悪阻止に立ち上がったのである。

1997年に健保本人2割負担、薬剤負担金が導入されたが、厚労省の「患者調査(2001年3月)」によれば99年の35から64歳の外来患者数は96年に比ベ12・4%減少しており、5年経過した現在もその影響が尾を引いている。3三割負担となれば、保険料は天引きされても、受診は因難となり、医療保険が形骸化していく。

そもそも、健保本人3割負担化は、政菅健保の財政悪化がその理由であったはずだが、昨年4月のマイナス改定、受診抑制、および保険料のボーナスも含めた総報酬制の導入と料率の引上げにより、2002~2004年度でプラス1・5兆の財政効果があり、3割負担導入の必要はないのである。

確かに、国家は661兆円もの償金をもっているが、その一方で402兆円の金融資産を持っていて、ネットの債務残高259兆円は対GDP比50%、EUなみの国家償金であることを国民の前に明らかにすべきである。加えて889兆円の実物資産(土地、固定資産)を有している(山家悠和夫氏による)。

であるから、消費不況に端を発したこの不況を乗り切るまでは、財政危機と煽り立てて消費マインドを冷やす国民負担増、医療保険改悪を凍結すべきである。

国民医療を守り医療保険制度の更なる改悪を阻止するため、共に力を合わせよう。

東京保険医新聞2003年1月25日号より