保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

国保を改善し皆保険制度を守ろう

公開日 2003年07月05日

国保料を払えない世帯が急増している。

滞納世帯は、昨年6月1日、ついに400万世帯(国保世帯総数の18.8%)を超えた。また、正規の被保険者証が渡らず資格証明証などが発行されている世帯は100万(滞納になっている世帯の25%)を突破するに至っている。

「滞納」を理由にした被保険者証の取り上げという制裁措置がとられ、そのために病院にかかれず、命を落とすという事態も発生している。また、「基準額を超える高額療養費の窓口負担を自治体が肩代わりする制度(受領委任払い)」の利用を国保料の滞納を理由に認めず、治療が受けられず死亡した痛ましい事態も発生している。

国保料を払いきれない世帯が増えている最大の要因は、高すぎる保険料にある。生活保護を受けている標準世帯と同じ収入で37万円もの保険料となっている例もあり、その上介護保険料が徴収される。住民税非課税世帯でも夫婦2人で年間10万円を超えており、これが保険料滞納の大きな原因である。国保加入者の多くは低所得者である。生活保護基準以下の所得者も多い。

国保科が高くなった原因は政府が1984年の国保法改定で、国庫負担を45%から38・5%に削減したことにある。そのことが自治体の国保財政を圧迫、その負担を加入者に押し付けている。

そして小泉「構造改革」による規制緩和などが営業を破壊し、大企業のリストラによる失業者を増大させ、「払いたくても払えない」状況に拍車をかけていることにある。滞納はまさに国の責任であり、小泉内閣の責任である。にもかかわらず滞納を理由とし国保証の取り上げ、制度利用の抑制をはかることには大きな問題がある。

滞納者をなくすには国庫負担を増やし、保険料を下げるとともに景気を回復させることが必要である。

また、減免制度を拡充することも重要である。生活困窮者に対して、保険料が払えなかったからと言って被保険者証を取り上げるのは、社会保障の理念とも全くかけ離れた行為である。

国保を改遵し国民皆保険制度を充実させ、だれでもが必要なときに安心して医療を受けられるようにすべきである。

東京保険医新聞2003年7月5日号より