【緊急要請】組織犯罪処罰法改正案(通称:共謀罪法案)の徹底審議を求めます

公開日 2017年05月26日

2017年5月23日

東京保険医協会
会長 鶴田 幸男

 5月19日、衆議院法務委員会で共謀罪法案がまともな審議もなしに強行採決されました。委員会審議を通じ、①一般市民が対象になるのか、②「組織的犯罪集団」の定義、③処罰対象の「準備行為」の中身―などの疑問点について、政府答弁は迷走し、国民に納得のいく説明はありませんでした。参考人質疑では、一般市民の自由を損なう恐れがあり、警察当局の自由裁量で捜査が進められかねないと指摘されました。

 犯罪がまだ形をなす前、計画の段階で罪になる「共謀罪」は、戦前の治安維持法の再来です。「合意」や「話し合い」、「準備行為」を把握するためには、まだ犯罪を起こしていない一般市民を日常的に監視することが必要になり、個人の人権やプライバシーを侵害することになります。ひいては自由にものを言えない委縮した社会をもたらします。

 5月18日には、国連人権委員会のプライバシーの権利に関する国連特別報告者ジョセフ・カナタチ氏が、プライバシーや表現の自由を制約する恐れがあると「共謀罪法案」に強い懸念を示し、それに対する回答を求める書簡を安倍首相宛に送付していたことが明らかになりました。書簡は「法案の成立を急いでいるために十分に公の議論がされておらず、人権に有害な影響を及ぼす危険性がある」と言及しています。このように国際的な懸念や多くの問題点が残されたまま、衆議院本会議で議決を強行することは、個人のプライバシーや表現の自由を保障している憲法に違反しており、国民の権利を損ない、日本の将来に禍根を残すことになります。

 

 

一、組織犯罪処罰法改正案(通称:共謀罪法案)を衆議院本会議で採決しないこと

以上

170523_共謀罪緊急要請[PDF:84KB]