保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

東京保険医協会 第99回 定時総会決議

公開日 2019年04月09日

東京保険医協会 第99回 定時総会決議

 私たちはいのちと健康を守る医師として、国民皆保険を守り、すべての人々が尊厳を保って幸せに暮らせる社会の実現を目指しています。しかし2013年度以降の7年間で、4兆2,700億円もの社会保障費が削減されました。また2014年の消費税増税後、家計の消費支出は年間25万円も落ち込んで回復せず、国民生活基礎調査では、生活が「苦しい」と回答した世帯が、55.8%と高止まりしています。その中で政府は、社会保障費の削減と国民負担増を行い、本年10月には消費税10%への引き上げを計画しており、国民の生活はいっそう苦しくなります。

 3月11日で東日本大震災から8年が経過しましたが、いまだ多くの被災者は復興から取り残されています。原発被災者から故郷と生業を奪った原発依存のエネルギー政策を転換し、原発は再稼働せず再生可能エネルギーの利用を促進すべきです。

 2月24日に実施された沖縄県民投票の結果に従って、国は辺野古の新基地建設を断念すべきです。

 一方、医師の労働時間は長く、大都市の病院でも、年間2,000時間以上の時間外勤務が問題となっています。厚労省は、時間外の上限は年間1,860時間まで容認します。医師の健康や生活をどのように考えているのでしょうか。専門医資格を利用して、研修医の人事権を大学に握らせて、過疎地に派遣する新専門医制度が、2018年に発足しましたが、すでに内科・外科で深刻な医師不足が生じています。行政の力によって医学の形を歪めるような制度は、早急な見直しが必要です。また地域住民が安心して受診するために、社会保障の充実とともに、患者負担の大幅な軽減も必要です。私たちは、日本国憲法 第25条に明記された「健康で文化的な」生活を、すべての国民に保障することを求め、第99回定時総会にあたり、以下の項目の実現を要求します。

一、存続可能な国民健康保険制度とするために、必要な国費を投入し、支払える国保料にすること
一、「地域包括ケアシステム」は、施設から自宅へ、を合言葉にしているが、地域住民が必要とする病床を確保し、家族介護を理由にした、年間10万人もの離職を解消すること
一、ワクチンの開発、採用、製造、供給、接種、調査、補償に国が責任を持ち、政府からは独立した機関をつくること
一、都立病院での、救急・災害時、周産期・小児、難病・障がい者などの行政的医療を継続すること
一、勤務医の長時間労働につながる問題点を改善し、新専門医制度は中止を視野に入れて見直すこと
一、診療報酬点数の不合理を是正し、次期改定で基本診療料を引き上げ、患者負担は引き下げること
一、医療情報の漏えいは被害を予測できないため、保険証と共通番号の紐づけは中止すること
一、消費税の2019年10月からの10%への引き上げは中止し、医療機関の損税を解消すること

以上

2019年3月23日  東京保険医協会

東京保険医協会 第99回 定時総会決議[PDF:75KB]

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