公開日 2019年06月20日
城南支部は5月29日、大井町きゅりあんで支部例会を開催し、会員・スタッフら16人が参加した。
権守光夫支部長の挨拶で開会し、事務局から「窓口トラブル対策」をテーマに話題提供を行った。「応召義務」「未収金」「診断書の書き換え」「保険証」「カルテ開示」「領収証の再発行」「ネットへの書き込み」について、協会に寄せられる事例を紹介しながら解説があった。
診療に応じられないことを「応召義務違反だ」と非難する患者が稀にいるが、医師には患者の求めに応じて診療する義務があるのと同様、患者にも医師の指導を受けて治療に専念する義務がある(診療契約の原則)。
迷惑行為など信頼関係を築けない場合には、診療契約自体が成立せず、患者の無茶な要求に応じる必要はない。とはいえ、理由があって応じられない場合も診療拒否に受け取られないよう、表現に工夫をしたりすることなどが大切であるとした。
問い合わせが多いカルテ開示については、個人情報保護法に照らし原則開示することとなるが、開示しないことが適当と思われるケースでは理由を説明し、開示をしない選択をすることも可能であると紹介した。開示請求があった場合に備えて開示請求書などの書類をあらかじめ用意しておくようアドバイスがあった。
また、本人以外の第三者、たとえば警察や裁判所、遺族からの開示請求に対しては請求者に応じて取るべき対応が変わるため、トラブルにならないよう慎重に対応すべきであると指摘した。
参加者からは、「困った患者さんに対応するとき、録音をしてもよいのか」「以前カルテ開示のことで協会に電話したとき、相談に乗ってくれ、開示請求書などの資料もすぐFAXしてくれて助かった」などの質問や意見が次々と出た。
その他、改元に伴うレセプトや処方箋の取り扱いについても解説し、権守支部長が「支部例会で取り上げてほしいテーマがあればぜひお寄せいただきたい」と挨拶し、閉会した。
(『東京保険医新聞』2019年6月15日号掲載)