保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

【理事会声明】「診療報酬の中医協答申にあたって」

公開日 2020年03月05日

2020年2月7日

【理事会声明】「診療報酬の中医協答申にあたって」

東京保険医協会 第11回理事会

 2020年2月7日、中医協は、2020年度の改定診療報酬を答申した。改定率は診療報酬としてプラス0.47%とし、加えて今回は、働き方改革として0.08%上乗せがあり、合わせてプラス0.55%となった。しかし、薬価マイナス0.99%、材料価格はマイナス0.02%とされた。今回は診療報酬と薬価等に分けられ、ネットでの改定率は示されなかったが、合計すると0.46%のマイナス改定となる。2014年度改定から4回連続となるマイナス改定、人件費の上昇、消費税増税などによって医療機関の経営は厳しさを増しており、極めて不十分な改定だ。

■告示、通知の早期発出を強く求めるとともに通知による解釈変更を行わないこと

 十分な準備期間をもって新点数に対応できるよう点数改定の告示、通知を早期に発出すべく、協会はかねてより繰り返し要望してきたが、今回も発出が遅れたことに対し強く抗議する。さらに、留意事項以外にも大量の一部訂正や疑義解釈が示され、通知により新たな算定制限を示すことが常態化している。通知は告示の解釈を補完するものであり、それを逸脱する内容は認められない。

■安易な届出制の拡大に反対する

 届出制は医療機関の特性を踏まえ一定の施設基準を満たした上で選択するものであり、小児科標榜医療機関対象でさらなる届出の必要ない小児科外来診療料にまで求めるべきでない。

■初・再診料は大幅な引き上げを

 初・再診料がまたも据え置かれた。初・再診料には医療機関経営に係る原資(人件費、光熱費、施設設備費)が含まれる。すべての医療機関の必要経費が充当されるよう、初・再診料の大幅引き上げを求める。
■紹介状なし受診時定額負担、対象医療機関の拡大に反対する

 紹介状なしで大病院を受診する場合の定額負担について、現在の基準が、一般病床200床未満を除く地域医療支援病院まで拡大された。かかりつけ医機能を有する医療機関への患者の受診抑制につながる受診時定額負担の導入は容認できない。

■急性期病床、基準の厳格化、削減の動きは容認できない

 一般病棟の重症度、医療・看護必要度の該当患者割合について、18年度改定に引き続き急性期一般入院料の看護必要度の割合が引き上げられ、看護体制が少ない病床への転換を促す形の報酬体系とされた。急性期病床削減を強行すれば、地域医療に重大な影響を及ぼす。急性期病床削減の動きに強く抗議する。

■オンライン診療料の算定要件拡大は慎重に

 オンライン診療料の実施要件について、事前の対面診療の期間が6月から3月に見直された。また、対象に定期的に通院が必要な慢性頭痛患者が追加された。対面診療重視の立場から要件拡大の安易な実施は行うべきでない。

■婦人科管理料の新設、小児医療の対象年齢拡大を評価する

 婦人科特定疾患治療管理料の新設、小児科外来診療料・小児かかりつけ診療料の対象年齢の拡大(3歳未満から6歳未満へ)を評価する。なお、小児抗菌薬適正使用支援加算の対象年齢の拡大については評価するが、算定要件が月1回に制限された。医療界全体で抗菌薬の適正使用を広げていこうという趣旨を達成するため、小児抗菌薬適正使用支援加算の対象年齢および算定回数の制限の撤廃を求める。

■訪問診療時の超音波検査における現行点数の引き下げおよび算定制限の導入に反対する

 訪問診療時に実施する超音波検査が新設されたが、現行の点数から引き下げないことを求める。在宅患者はレントゲン・CTなどは日常的には出来ない状態であり、超音波検査は外来通院困難な在宅患者の全身管理には不可欠なものである。装置の小型化をもって過少評価をするべきではない。また、算定要件が「部位にかかわらず」「月1回に限り算定」と極めて限定的である。算定制限は撤廃されるべきだ。

 以上、われわれは不合理な診療報酬の改善と、基本診療料の引き上げを求めるとともに、地域の住民が安心して受診できるよう、患者負担の大幅な軽減を改めて求めるものである。

以上

200228【理事会声明】診療報酬の中医協答申にあたって[PDF:139KB]

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