【要望書】医療従事者を被験者としたファビピラビルの治験に関する要望書

公開日 2020年04月24日

2020年4月20日

内閣総理大臣 安倍晋三 殿
厚生労働大臣 加藤勝信 殿

一般社団法人 東京都保険医協会
代表理事 須田 昭夫

医療従事者を被験者としたファビピラビルの治験に関する要望書

 

要望趣旨

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の診断治療に従事する医療関係者らを被験者とした「アビガン錠」(ファビピラビル)の予防投与の有効性を判断する治験を早急に実施することを要望します。

要望理由

 現在のところ確立した治療薬が存在しないCOVID-19に対し、最前線の現場医師らが承認をまたずに「アビガン錠」(ファビピラビル)を投与した結果の症例報告が、世界各国や本邦からも続々と発表されています。さらに、日本に次いで、2020年4月9日、米国でもCOVID-19を対象に「アビガン錠」の第2相臨床試験(企業治験)が、始まることが発表されました。

 一方で、東京都を中心に感染者数が拡大し、感染症指定病院のみならず一般病院においても医療従事者に感染が拡大し、医療崩壊の危機に直面しています。

 ところで、インフルエンザにおけるオセルタミビルでも、治療効果と予防的投与の治験は、治療薬として認可され販売される以前から同時進行されていました。

 そこで、私たちは、医療関係者らを被験者として予防的投与の有効性を判断する治験を実施することを要望します。医療従事者には、医学的知識があり、治験のリスクも十分な理解が可能で、仮に予防投与により効果よりも不利益の方が上回る結果となったとしても納得すると推測され、合意取得が容易で早期開始が可能です。

 COVID-19による医療崩壊を早急に食い止める手段となりえる薬剤の予防的投与の治験を行うことも急務で有り、被験者になることを希望する医療従事者の多くが参加できる治験を早急に開始することを要望します。

以上


医療従事者を被験者としたファビピラビルの治験に関する要望書[PDF:969KB]