公開日 2020年03月25日
2020年3月25日
内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
厚生労働大臣 加藤 勝信 殿
東京都知事 小池 百合子 殿
一般社団法人 東京都保険医協会
代表理事 鶴田幸男
新型コロナウイルス感染症専門外来・検査施設に関する要望書
要望趣旨
- 新型コロナウイルス感染症の診療を専門に行う「発熱外来」を2次医療圏に一つ以上設置してください。
- 新型コロナウイルス感染症の診断を専門に行う検査施設を上記発熱外来に併設または、別途設置してください。
要望理由
本疾患の感染者の大部分は無症状または軽症の感冒で軽快される一方、肺炎を発症し、重症化から死亡に至る症例があります。現在までの国内の対応は散発的感染クラスターを早期に発見して拡大を抑え込む方法であり、これまで一定の感染拡大の抑制に有効であったと評価されます。
一方で専門家会議においては、今後の感染拡大期においては、指定医療機関の崩壊を防ぐために、一般医療機関においても同疾患の診療を担当するとの考えが示されています。しかしながら、防護体制が未整備な中での一般医療機関外来での本疾患患者の診療は、困難かつ危険であると思料します。さらに、クラスターが追えない新規感染者を把握するために、増強したPCR検査を現在の重症者中心から、軽症者にまで拡げていく必要性も指摘されています。
私たちは、国内における感染の拡大を抑え、同時に一般医療機関および指定医療機関の機能崩壊を防ぐためには、新型コロナウイルス感染症を疑う患者を専門に診療する「発熱外来」を各医療圏に1つ以上設置していただくことが相当と考えます。同外来では、必要に応じて施設内で現行のPCR検査など診断のための検査も実施できるようにしていただきたいと思います。
また、疫学的観点から国内での新型コロナウイルス感染症の状況を把握するためにも、諸外国で行われているような、新型コロナウイルス専用検査施設を設置することも合わせて要望します。これら発熱外来・専門検査施設には一般診療所から直接患者を紹介できることが相談センターの負担を減らす意味でも必要と考えます。
一般医療機関からは、感染症専門家からの感染防護についての指導を受けたのち、医師会等を通じて両施設へ当番制で医師を派遣するなど、人的支援を積極的に行う必要があります。医療界一体となって本疾患の早期終息を目指すべきと考えます。
以上