足立支部:実感得られない改定、複雑なカルテ記載要件に懸念

公開日 2020年04月30日

 足立支部は、3月3日、北千住マルイ内の会議室で支部総会を開催し、会員医師6人が参加した。

 当日は、総会議事として「次期支部役員体制」を承認したほか、4月からの新点数トピックスと題し、2月7日に示された「諮問・改定告示案」の内容を、外来点数を中心に概説した。今回の改定は、情報通信機器を用いた点数や、極めて専門的な分野の評価ばかりで、参加者からは「実感が得られない改定点数ばかり」とため息が漏れた。

 参加者から質問が出たのは、新たに追加された「超音波検査」の算定要件だ。従来の通知では「検査で得られた主な所見を診療録に記載」のみだったが、4月からは異常所見の有無に関わらず、「画像を診療録に添付すること」が算定要件となった。

 なかには、健常な患者については特段の描出画像を保存しておらず、国の通知に則ってカルテ上に所見の詳細を記録しているだけのケースも想定される。

 反対に、電子カルテ導入の場合は、全ての画像を別のサーバー上に保存・管理し、適宜必要に応じて電子カルテの2号用紙上で描出画像を閲覧する仕様もあるが、個別指導時などに指摘されないか不安の声も出た。

 そのほか、新型コロナウイルス流行に関連して、政府対策本部の“全国の保育園、小・中・高等学校等の一斉休業”について、「国からの要請に『幼稚園』が含まれておらず、準備期間もなく自治体ごとに膨大な対応を迫られている」と憤りの声もあった。

 当面、足立区の幼稚園では、保護者への登園“自粛”要請を基本とし、家庭状況に応じて保護者と幼稚園で個別に交渉する方式を取るが、こうした広い問題点を地域医療を担う医療者のなかで共有していくことも重要だ、との指摘も出た。

 

 

(『東京保険医新聞』2020年4月15日号掲載)