保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

[主張]民間病院に緊急支援を

公開日 2020年07月02日

病院を襲う大幅な収入減

 新型コロナウイルスに罹患した患者を受け入れている病院の職員は自身も感染するかもしれない危険と隣り合わせで治療に当たっている。療養病床等の病院では、院内にウイルスを持ち込ませまいと必死の努力を行い、これまで以上に院内感染防止対策を徹底して行っている。

 こうした中、現場の医療機関からは、人員不足や感染防護用品の不足、賃料等の固定費の負担はもちろんのこと、給与の支払い削減、職員自体の削減、閉院も考えなくてはならないと悲痛な声が寄せられている。一般診療の縮小や手術の延期を余儀なくされ、患者の受診抑制によって大幅に減収している。このほかにも医療機関に対する風評被害等、問題を挙げればきりがない。

 5月18日、日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会合同で病院経営状況アンケート調査の速報値が発表された。

 2020年4月の医業収入が全病院平均で対前年比マイナス10・5%、コロナ患者受け入れ病院平均でマイナス12・7%、一時的病棟閉鎖病院でマイナス14・9%と軒並み医業収入が減少していることが明らかになった。

 小手先で診療報酬を操作しても焼け石に水である。国が速やかに減収に対する公費補填を行わなければ、医療崩壊を招くことは明らかである。

求められる大幅な財政支援

 医療崩壊を阻止することを主たる目的とした政府の「緊急事態宣言」であったが、第2波、第3波に備えるため政府は緊急に全国すべての医療機関に財政投入しなければならない。

 日本医師会は第2次補正予算案に7・5兆円の財政投入を要求している。厚生労働省補正予算(第一次)で計上している「感染拡大防止策と医療提供体制の整備及び治療薬の開発」6695億円や、新型コロナ感染症患者受け入れ予算措置「包括支援交付金」1490億円では桁違いに足りないのは明らかである。

 国が安上がりの医療、病床削減を推進した結果、緊急事態が起こった際に十分な医療を提供できず、国民生活崩壊の危機を招いた。この国の政治がもたらした負の結果である。

 東京保険医協会は引き続き国に対して民間医療機関への大幅な財政支援と、公的な医療・保健体制の拡充を求めていく。

 


 

(『東京保険医新聞』2020年6月5日号掲載)