北支部総会 初のWeb開催 コロナ下での診療を考える

公開日 2021年04月10日

 北支部は3月4日、支部総会を開催し、支部会員3人が参加した。新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、北支部では春と秋の支部例会の開催を見合わせていたが、今回初のZoomによるWeb開催となった。

 総会では2020年度の支部活動報告と2021年度の事業計画を確認した。その後、「新型コロナ下での診療を考える」と題し、コロナ下での医療にかかわる様々な話題について、事務局からの情報提供にもとづき、意見交換を行った。

 第三次補正予算における感染拡大防止等の追加補助について、「厚労省からの案内もなく、締め切りの直前に追加補助のことを知り、慌てて申請した」「家賃や水道光熱費等、幅広く対象経費として認める内容だ。今回2月末の締め切りに間に合わなかった場合も、今後4月1日以降の経費で申請できる。上限額いっぱいまで申請すべきだ」などの意見が出た。「厚労省や都福祉保健局等のコールセンターへの問い合わせがつながらず、頼りにならない。協会の情報提供や相談体制は大変心強い」との声も挙がった。

 3月から開始されたオンライン資格確認については、参加者の中に導入している医療機関はなかった。「高齢の患者が中心で、マイナンバーカードを持っておらず、そもそもオンライン資格確認のことを知らない人がほとんどだ」「マイナンバーカードだけ持ってくる患者が出た場合の対応が心配だ。協会の『保険証を持参してください』のポスターをHPからダウンロードし、拡大印刷して貼り出している」などの意見が出た。

 医業経営、日常診療については、「患者数がなかなか元に戻らない。以前は18時まで診療していたが、今は17時までの時短診療にしている」「レセプト枚数で言うと2~3割減で、特に小児の来院が減った。また、2カ月等長期の処方を希望するケースが増えた」など、現在も患者減が続いているとの報告があった。「メディアではコロナ患者を受け入れていないとして民間病院を叩く風潮があるが、実際にコロナ患者を受け入れた病院の多くは赤字になっていて、冬のボーナスを削減したという話も聞く。民間病院の窮状についても協会として声を挙げてほしい」などの要望も出た。

 新型コロナワクチンの接種については、「1バイアルで5人接種できることから、5人単位で予約を取ることになる。北区が予約をとりまとめるとしているが、どのような仕組みになるのか不明で、混乱が予想される」「医療者は優先的に接種が受けられることになっているが、受診券も配られていない。4月くらいまでずれこむのではないか」などの現状が報告された他、「ワクチンの輸入が遅れているとの情報もある。国内で生産できる体制を作らないとだめなのではないか」「問診で『予防接種を受けてはいけない人』の基準が接種のガイドラインを見てもはっきりしない。何かあった場合に医師が責任を負わされることにならないか心配だ」「区市町村ごとの体制だが、区をまたいで来院する患者も多い。かかりつけ患者は行政区に関係なく受け入れられるようにしてほしい」などの声が挙がった。

↓Zoom を使用してコロナ禍の診療・オンライン資格確認について意見交換を行った↓


      草間泰成支部長(草間クリニック)

(『東京保険医新聞』2021年3月25日号掲載)