北支部 新型コロナワクチンなど 取り組みや悩みを交流

公開日 2021年07月20日

 
 北支部は6月29日、支部例会を開催し、支部会員5人が参加した。新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、Zoomでのオンライン開催となった。

 「新型コロナ下での診療対策」をテーマに、事務局から補助金・助成金について情報提供した。2021年4月~9月の経費を補助する「令和3年度医療提供体制確保支援補助金」や、65歳以上への新型コロナワクチン接種を多数回行った診療所への協力金支給制度「東京都新型コロナウイルスワクチン接種促進支援事業」等について説明したほか、この間、補助金の交付手続きが大幅に遅れている問題についても解説した。

 令和2年度の医療提供体制補助金の交付完了は7月末になる見込みで、現在、発熱外来補助金、医療提供体制補助金の受理状況について厚労省コールセンター(0120―336―933)で確認することが可能である。

 参加者同士の意見交換では、新型コロナワクチンの接種が中心的な話題となった。ワクチンの流通について、「足立区では国からの供給制限により、新規予約の中断が起きているというが、北区も今後が心配だ」「同じ種類のワクチンを打つように指示されていたが、最近は1回目と2回目で別の種類のワクチンを打つと効果が高まるとの研究もある」などの意見が出た。

 接種した後のカロナールの事前処方の扱いについて、薬局で買ってもらう、自費で処方する、無料で渡すなど、現場の対応は様々であるが、薬局では最近品切れ傾向にあるという。「ワクチン接種は、普段のかかりつけ患者とは異なる層に実施しているので、接種と接種後の待ち時間だけ責任を持つと割り切っている」「完全にかかりつけ患者のみを接種対象として、患者家族や知り合いの予約も受けないことにしている」など、医療機関ごとの方針が紹介された。

 「東京都新型コロナウイルスワクチン接種促進支援事業」については、「通常診療しながらでは、1日に1バイアル6回接種するのが精一杯だ」「既に65歳以上の優先予約は終わり、今後は対象年齢が下に広がっていく段階だ。高齢者ばかり集めてくるわけにもいかず、補助金の支給対象にならないのではないか」などの意見が出た。

 ワクチン副反応については、出席者の多くが発熱や肩の痛みやこわばり、倦怠感などの事例を経験している。「卵アレルギーのある方で、接種後全身が腫れ上がり、2回目の接種を躊躇している」というケースも紹介された。今後、若い世代に対象が広がっていくことになるが、「社会全体で集団免疫をつけるには、若い世代の接種が必要だが、若い人ほど重症化リスクは下がる一方、副反応は出やすくなることを考えると、積極的に受けたいとは思わないのではないか。接種促進のためのインセンティブが必要だ」との声も上がった。

 最後に草間泰成支部長が「今後も時宜に合わせたテーマで定期的に支部例会を開催していく。コロナ禍で集まることが難しい現状だが、会員同士で話し合う機会を大事にしていきたい」とあいさつして閉会した。
 


      草間泰成支部長(草間クリニック)

(『東京保険医新聞』2021年7月15日号掲載)