医科歯科連携研究会 安全なワクチン接種を

公開日 2021年08月11日

新型コロナワクチン接種について、活発な意見交換
が行われた(7月11日、協会セミナールーム)
 

 

 医科歯科連携委員会は7月11日、東京歯科協会および千葉協会と共催で「医科歯科連携研究会2021」を開催し、医師、歯科医師、コメディカル等、会場とZoom合わせて326人が参加した。

 開会挨拶では坪田有史東京歯科協会会長が、①医師・看護師等の確保ができず、歯科医師の協力なしには特設会場でのワクチン接種が実施できない、②筋肉内注射についての経験または必要な研修の受講、③被接種者の同意、という条件下で、新型コロナワクチン接種が特例として歯科医師にも認められていることに触れ、医師・歯科医師がともに学ぶ意義を強調した。

 続いて、佐藤一樹理事が「三角筋の詳細解剖解説による正しい筋肉注射と血管迷走神経反射対策」と題し、講演した。有効かつ安全な三角筋への筋注を行い、橈骨神経損傷や三角筋下滑液包炎等、被接種者の障害や医療紛争を回避するためには、接種部位である三角筋自体を知り、触診して起始および停止を確認してから、中央の筋肉の最も厚い部分に90度の角度で穿刺することが重要とした。

 接種後は、失神や気分不良といった血管迷走神経反射にも注意が必要だ。血管迷走神経反射は、脱水等の状況で起こりやすいことから、接種時刻、天候に加えて、問診において最後の食事・水分補給時刻を確認することが重要だと述べた。アナフィラキシーへの対応として、集団接種会場の場合は、会場に備えてあるマニュアルや、AED等の備品を十分に確認する必要性に言及した。

 質疑応答では、参加した医師・歯科医師から活発に質問が寄せられた。

 最後に、須田昭夫会長が「本日の研究会での学びを、医師・歯科医師ともに今後の新型コロナワクチン接種にぜひ活かしてほしい」と挨拶し、閉会した。

※当日のZoom録画を7月下旬、協会HP(会員限定ページ)にて期間限定で配信予定です。

(『東京保険医新聞』2021年7月25日号掲載)