都立・公社病院 独法化中止 都議会で訴え

公開日 2021年11月12日

 都立病院の充実を求める連絡会、人権としての医療・介護東京実行委員会は10月11日、「都立・公社病院の独法化中止、『定款』撤回を求める10・11都議会厚生委員会採決日行動」を開催し、協会からは須田昭夫会長が参加した。

 小池都知事が都立8病院と都保健医療公社6病院を地方独立行政法人化するための定款議案を都議会第3回定例会に提出したことを受けたもので、10月11日は厚生委員会での採決日であった。多数の市民団体が「定款」の撤回を求め都議会前に集結した。

 協会を代表し須田昭夫会長が連帯と激励のスピーチを行った。「私たち医師は、コロナ下で都立・公社病院が果たしている役割、地域医療の中で不採算医療を担ってきたことを大いに評価している。都立・公社病院で診療を行う医師、医療従事者は一人でも多くの患者を救いたいという情熱を原動力に診療に臨み、彼らの尽力によってかろうじて医療崩壊が食い止められてきた。独法化を実施すれば不採算医療が切り捨てられ、実質的に診療対象となる患者に制限が設けられる可能性が高い。消防や警察には採算性が求められていないが、なぜ都立・公社病院には採算性を求めるのだろうか。東京都が都民医療に責任を持ち、必要な財源を確保するべきであり、独法化するべきではない」と強く訴えた。

 定款議案は厚生委員会で、共産党、立憲民主党、自由を守る会が反対したが、自民党、都民ファーストの会、公明党の賛成多数で可決され、13日の本会議においても賛成多数で可決された。

 しかし、独法化を進めるには都議会で都立・公社病院の廃止等を含めた具体的な手続方法を審議しなければならない。

 協会は引き続き都議会第4会定例会に向けて関連団体等と連携し、独法化の中止を訴えていく。


都立・公社病院独法化の中止を訴える須田会長(10月11日、都議会議事堂前)

(『東京保険医新聞』2021年10月25日号掲載)