足立支部:労務管理のリスクを学ぶ 非常勤医師の採用で苦労も

公開日 2022年03月02日

 12月21日、足立支部は北千住マルイ内の会議室で総会を開催し、会員医師・従業員等14人が参加した。コロナで長期にわたり例会を延期していたため、約1年6カ月ぶりの開催となった。

 当日は、総会議事として「次期支部役員体制」を承認したほか、社会保険労務士の加藤深雪氏(bloom総合事務所代表)が「ここが困った!労務管理の実例・改善例~想定外や未整備にどう対処する?」と題し講演した。

 長引くコロナ禍で、医師や従業員の労務管理に苦労する医院も多い。このうち“勤務医の採用”では、院長との診療方針の違いや、性格の相違、期待した能力の不足などから問題が生じやすい。中には、採用した勤務医と既存の従業員が対立し、結果として多数の職員が退職を希望するまでに事態が悪化したケースもあった。

 加藤氏は、医師の採用に際しては必ず書面で「雇用契約書」を取り交わし、さらに①試用期間(最初の契約は3カ月から等)②普通解雇事由(能力不足、診療方針の不一致等)、③懲戒解雇理由(ハラスメント等)を盛り込むことを勧めた。後者の2つは、既存の従業員向けの「就業規則に準ずる」との一文でも良いとした。

 そのほか参加者からは、「自動精算機やキャッシュレス決済の導入に際し、メーカーや機種の採用基準や手数料はどうすべきか」「残業時間を減らすために昼休憩の延長を導入したいがどのように進めれば良いか」「職員の髪の毛の色、爪のネイルなどは就業規則でどこまで制限できるか」などの質問が寄せられた。

 最後に渡邉支部長から「今後も有意義な支部活動を行っていきたいので、引き続き要望や意見を寄せてほしい」と挨拶があり、盛会のうちに閉会した。

 

 

(『東京保険医新聞』2022年2月5日号掲載)