葛飾支部総会 新点数について話題提供 乳腺外科医裁判の経過も報告

公開日 2022年04月15日

 葛飾支部は2月25日、2021年度総会をオンラインで開催し、会員ら12人が参加した。

 はじめに石垣宏支部長が「発熱外来やコロナワクチン接種に忙しい毎日で、第5波までの政府の失策による影響は深刻だ。このような状況下だが、今次診療報酬改定の内容を学び、4月からの請求に備えていきたい」と挨拶した。

 総会議事では、次期支部役員および支部活動計画を確認し、4月からの診療報酬改定情報について、中医協改定諮問案答申に基づき事務局が話題提供した。

 今次改定でも初・再診料引き上げはかなわなかった。一方、外来におけるデータ提出加算やオンライン初診料が新設され、リフィル処方箋が解禁される。政府のデジタル化政策が強く現れているほか、医療機関の連携強化を評価する流れだ。

 参加者からは「リフィル処方箋は、患者の受診離れによる病態悪化につながるおそれがあり、今次改定での導入は拙速だ」「投薬に係る費用が生活習慣病管理料の包括から外されたが、管理料自体は80点のマイナスだ。高血圧や糖尿病などの疾患をかかえる患者が多いため、減収につながる可能性がある」「新設された外来データ提出加算だが、どのような形で診療情報を提供するのか。事務作業の煩雑化だけでなく、カルテ内容を求められるようなことがあれば、守秘義務ともかかわり大問題だ」との声が寄せられた。

 佐藤一樹理事が乳腺外科医裁判について、2月18日に最高裁が二審判決を破棄し、審理を東京高裁に差し戻す判決を下したことを報告した。最高裁が事実認定を改めておこなったことは評価できるが、無罪確定には至らなかった。佐藤理事は「男性医師にさらに負担を強いる結果となり残念だ。引き続き、無罪を勝ち取るために支援していきたい」と述べた。

(『東京保険医新聞』2022年3月15日号掲載)