公開日 2022年12月09日
足立支部は10月26日に「保険証のオンライン資格確認(以下、オン資)システム」をテーマとして例会を北千住駅前シアター千住で開催し、18人が参加した。
厚労省が2023年4月からのオン資原則義務化方針を示した後、河野デジタル大臣の保険証廃止をめぐる発言によって、オン資およびマイナンバーカード普及を強引に進める政府の方針が明らかになった。
オン資について意見交換していく中で、参加者から「システム導入に要する手間や費用など、重い腰が上がらず対応できていない」「導入するとしても、システムと電子カルテ・レセコンとは分けて運用したい」「オンライン診療や訪問診療ではどのように運用すればよいのか」といった導入の懸念や、患者情報の漏えいリスクに対する不安の声も寄せられた。
既に運用している会員に対して、具体的な運用方法についての質問が多数出された。しかし、マイナ保険証での受診事例は今のところないとのことだった。
中医協答申の附帯意見には、12月末頃の導入の状況について点検を行い、やむを得ない場合の必要な対応を検討することが明記されており、引き続きマイナンバー制度をめぐる動向を注視する必要がある。
一方、顔認証付きカードリーダーの補助金を受け取るためには、現状では12月末までにリーダーを申し込むことが条件となっているため、注意が必要だ。
また、2023年10月から開始されるインボイス制度についても話題提供があった。適格請求書(インボイス)は課税登録事業者のみが発行できるものだが、制度開始によって、課税事業者から発行されたインボイスが消費税の仕入税額控除の条件となる。そのため、非発行事業者が取引を打ち切られたり、登録事業者となり、免税されていた消費税の負担が生じるなどのデメリットが指摘されている。「医療機関でも事業所の健診といった課税収入がある場合、相手先から登録事業者としてインボイスを発行することを求められるのではないか」「自院での導入が必要かどうか、登録する場合の対応を事前に確認しておく必要がありそうだ」との感想が寄せられた。
(『東京保険医新聞』2022年12月5・15日号掲載)