江東支部例会 インボイス制度の導入 医療機関への影響を解説

公開日 2023年02月08日

 江東支部は11月4日、支部例会を開催し、会員・従業員等10人が参加した。今回は、「①2023年のインボイス制度に備えて~インボイス制度とは~②オンライン資格確認(以下、オン資)の義務化について現状の対応」をテーマに、現在急速に進められている政策について話題提供した。

 インボイス制度は、2023年10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式として導入される予定となっている。医療機関が被る大きな影響としては、企業への集団の健康診断・予防接種等の自費診療を行う場合が挙げられる。医療機関がインボイス対応をしない場合、取引相手は「課税仕入に係る消費税」を控除できなくなる。インボイスを発行しない事業者と取引がある課税事業者は納付すべき消費税が増加する。その結果、インボイスを発行しない場合、値引きの要求や取引終了される恐れがある。インボイス対応する場合、課税売り上げが1千万以下でも消費税の納付義務が発生するため、医療機関の負担が増えることが予想される。

 オン資は、2023年4月からの医療機関へのマイナカード読み取り機器の導入が療養担当規則で義務付けられる。これに従わない医療機関は保険医としての診療を続けられない可能性が示された。機器導入のスペース、費用、人員等の問題を抱える医療機関が多く、患者の個人情報保護の観点からも導入は多くの問題を指摘されている。

 参加者からは、「インボイス制度はいろいろ理由をつけているが、税金を搾り取るという考えだろう」「オン資の導入はなぜ行わなければならないのか。健康保険証で問題ないではないか」等、多数の意見が出た。さらに、コロナ下での日常診療について情報交換した。

(『東京保険医新聞』2023年2月5日号掲載)