[声明]東京大学へ救済措置を求める声明文

公開日 2023年04月06日

2023年3月30日

 

         東京大学へ救済措置を求める声明文 

一般社団法人 東京都保険医協会
代表理事 須田昭夫

東京大学総長    藤井 輝夫 殿

文部科学大臣    永岡 桂子 殿

厚生労働大臣    加藤 勝信 殿

日本医師会会長  松本 吉郎 殿

 

  新型コロナウイルス感染症(以下「COVID-19」といいます)が全世界に広まって以降3年余りが経過しました。この間に判明したCOVID-19の症状は様々で、無症状の人から、呼吸器症状、急激に進行する認知機能低下能や見当識の障害等を含む中枢神経症状、循環器症状、腎・泌尿器症状、消化器症状など様々な症状が報告されており、この点は、COVID-19の後遺症につきましても同様です。

 このようにCOVID-19は、私たちの生活全般にわたって多大な影響を及ぼし、その影響は現在でも継続しております。
 そして、COVID-19は教育の分野においても大きな影響を及ぼしました。特に、隔離期間やCOVID-19の症状等が影響して学修に障害が出ている場合は、これに配慮することが教育機関の義務となり、文部科学省は、対応するガイドラインを定め、その他様々な通知を教育機関宛てに出しています。
 その中で最も重視されているのは「学生の学修機会の確保」であり、学修者本位の学生一人一人の立場に立ったきめ細かな対応が求められています。
 このような対応は、前記COVID-19の症状が多様であることからすれば当然であり、画一的な対応をしてはならないものです。
 昨今、国立大学法人東京大学におきまして理科III類の学生の留年を巡って訴訟に発展している事実が新聞報道等により大きく取り上げられ、社会問題になっております。
 未来を担う学生と、学生のための学修機会の確保をする義務を負う大学とが訴訟という場で争うこと自体は、決して好ましいものではありません。
 一方で、COVID-19とは別の件ではありますが、近時、群馬大学医学部におきまして大量留年が問題となった件では、大学側が救済措置を採った旨が報道されております。このような柔軟な姿勢こそが、未来ある若者に対する大学側に求められる姿勢と考えます。
 そこで、一般社団法人東京都保険医協会は、国立大学法人東京大学・文部科学大臣・厚生労働大臣・公益社団法人日本医師会に対しまして、COVID-19に罹患して十分な学修機会を得られなかった学生に対し、学修者本位の学生一人一人の立場に立ったきめ細かな救済措置を採ることを求めます。 

以 上

 

東京大学へ救済措置を求める声明文[PDF:83.7KB]