北支部例会 新型コロナ5類化や後遺症 マイナ保険証の悩みを共有

公開日 2023年07月26日

 北支部は5月25日、オンラインで例会を開催し、会員7人が参加した。

 今回は「新型コロナ5類化後の診療について」をテーマとした。5類化後の公費の扱いや新型コロナ特例の変更について事務局が情報提供を行った他、5類化に伴う患者の受診動向の変化や診療現場への影響などについて意見交換した。

 新型コロナの感染が拡大をする中、子どものいる家庭中心にインフルエンザも流行しており、症状のみでの鑑別は難しいとの報告があった。また、新型コロナの検査、診療の公費扱いが終了し、金銭面の負担が生じるようになったことや、職場や周囲に知られたくないといった心理から、新型コロナの検査を希望しない患者が増えていることの指摘も出た。その他、咳止めなど一部の薬剤が不足していることや、新型コロナ自体の症状は軽症でも、腕の痛みや倦怠感、めまいなどの症状が長期に渡って続く新型コロナ後遺症・ワクチン後遺症などの発生事例も報告され、「今後、後遺症患者の増加が社会問題化するのではないか」との意見が出た。

 また、夜間の往診に医師を派遣する業者から営業の電話が頻繁にかかってくるとの報告に対して、「一定の利便性はあり、コロナ禍で活躍した側面もあるが、今後どうなるかは未知数だ。また、経験の浅いアルバイトの医師が派遣されることが多く、安易に委託すると医療機関の評価を落とすリスクもある」との指摘があった。

 その他、オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟について、事務局が経過報告を行った。オン資の実施状況については、「マイナカードでの資格確認は1日1人いるかいないか程度」「導入はしたが一度も使っていない」など、そもそもの利用者が少ないとの意見が多かった。また、「職員がPCに慣れておらず、ルーターの問題で資格確認ができないことがあった」「スタッフが1人で受付をしており、毎回オンライン資格確認に対応する余裕がない」「保険証が廃止されたら、医療機関も患者も非常に混乱する」などの意見が出た。

(『東京保険医新聞』2023年7月15日号掲載)