[支部地区だより]北 新型コロナ特例廃止・縮小の不合理 保険証廃止について論議

公開日 2023年12月11日

 北支部は11月7日、秋の支部例会を開催し、会員6人が出席した。会員の状況や情勢報告後、「新型コロナ特例10月以降の変更点」「オンライン資格確認義務化・健康保険証の廃止問題」ついて事務局からの情報提供をもとに意見交換した。

 新型コロナ特例の多くが10月から廃止または縮小され、これまで全額公費扱いだった治療薬についても、患者負担が生じることとなった。参加者からは、「感染力や重症化のリスク、特効薬のない点を考えると、まだ新型コロナをインフルエンザや他の風邪と同じ扱いはできない」「5類化以降、患者の警戒心が薄れているのか、マスク無しで院内に入ってくる人が増えており、対応に苦慮している」「医療機関が儲けているから次回マイナス改定すべきとの財務省の主張は許せない。コロナ禍が始まった2020年と比較するのは間違っている。抗議すべきだ」などの意見が出た。

 オンライン資格確認義務化・健康保険証廃止問題については、各自治体の議会への、健康保険証の存続を求める陳情・請願提出の取り組みについて報告した。北区では9月5日に陳情を提出し、区民生活委員会での審議の結果、「継続審議」となっている。

 また、「オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟」の経過について報告・解説した。

 「内閣支持率が下がっているので、もう一押しで保険証廃止の無期限延期までは持ち込めるのではないか」「世論を動かすことが大切だ。トラブル事例について会員アンケートを再度行ってはどうか」「裁判長が被告である国に、具体的な反論をするよう指摘したのは大きい。国は、まともな反論を出せないのではないか」などの意見が出た。

 その他、インボイス制度と地区医師会の関係や、インフルエンザ流行についてなど、様々な話題で意見交流した。

 最後に草間泰成支部長が「冬にかけて新型コロナやインフルエンザの同時流行が懸念されるが、自身の体調にも留意して地域医療を続けてもらいたい。支部や協会へのご要望があれば寄せてほしい」と挨拶し、閉会した。

(『東京保険医新聞』2023年12月5・15日号掲載)