[支部地区だより]江東 24年度診療報酬改定 医院の収支改善に繋がらず

公開日 2024年03月21日

 江東支部は2月27日、支部総会を開催し、会場とZoomで会員、従業員等29人が参加した。今回は、「2024年度診療報酬改定」をテーマに、最新情報を話題提供した。

 今次改定では、外来で初・再診料の微増、ベースアップ評価料の新設、糖尿病・高血圧症・脂質異常症の3疾患の特定疾患からの除外および生活習慣病管理料Ⅱの新設等が注目されている。

 初・再診料とベースアップ評価料で医療機関の収支改善がされたと報道されているが、実際は処方箋料の引き下げや、各種管理料の見直し等により、収支改善はしない、むしろ悪化するのではないかとの声が多くの参加者から上がった。

 在宅医療でも大規模な施設や集合住宅で他人数の患者を診察している場合の点数が新設され、現状に比べ大幅な引き下げとなる。これについて、「国は在宅医療の推進を謳っていながら、梯子を外しているのではないか」との意見が出た。

 質疑応答では「今回の改定は多くの項目で変更があり、把握が大変だ。加えて介護報酬の改定もあるので頭が痛い」「生活習慣病をメインに診ているクリニックでは6月以降が不安だ。患者に慣れない療養計画書を説明しないといけないのか」「ベースアップと言っても基準が満たせない医療機関が多いだろう。そもそも受付スタッフを対象にしていないのは医療現場の実態をわかっていない」と、改定内容に対し様々な感想が噴出した。

 詳細については3月末に新点数説明会を開催すること、5月に疑義解釈を含めたQ&A説明会を開催することを案内して閉会した。

 

(『東京保険医新聞』2024年3月15日号掲載)