[要望書]百日咳ワクチン(DTaP)の妊婦への緊急優先接種を求める要望書

公開日 2025年07月06日

2025年5月15日

内閣総理大臣 石破 茂 殿

厚生労働大臣 後藤 茂之 殿

           東京保険医協会
会長 須田 昭夫

 

百日咳ワクチン(DTaP)の妊婦への緊急優先接種を求める要望書 

  

 今年に入り百日咳の報告数が右肩上がりで増加を続け、2018年の全数把握義務化以降で最悪のペースとなっています。2025年4月27日までの累計感染者数は11,921人で、すでに昨年1年間の感染者数(4,054件)の2倍以上になっています。
 日本では、乳児への百日咳含有ワクチンの定期接種が生後2カ月以降に実施されていますが、百日咳ワクチン接種前の乳児の感染例が多く、重症化および死亡例も発生しています。海外では、妊婦に百日咳含有ワクチン(成人用3種混合ワクチン:Tdap)を接種することで母体から乳児へ抗体移行させ、感染及び重症化を防ぐことが推奨されていますが、日本ではTdapは承認されていません。
 DTaP(小児用3種混合ワクチン)については、最近の厚生労働省研究班により、妊婦へのDTaP皮下接種の安全性と、乳児への百日咳に対する抗体移行が確認されています。
 Tdapが使用できない日本国内においては、母子免疫ワクチンを目的とした妊婦への百日咳ワクチン接種として、DTaPの緊急優先接種を要望いたします。

 

 

 昨今の百日咳の国内大流行による新生児の罹患死亡を予防するため、百日咳ワクチン(DTaP)の妊婦への緊急優先接種を実施してください。

 

 

【参考資料】
・乳児の百日咳予防を目的とした百日咳ワクチンの母子免疫と医療従事者への接種について(2025年4月25日、日本産科婦人科学会)
・厚生労働行政推進調査事業費補助金(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)分担研究報告書 妊婦に対する百日咳含有ワクチン接種の抗体応答と反応原性及び児への移行抗体に関する研究
・厚生労働行政推進調査事業費補助金(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)分担研究報告書 妊婦に対する百日咳含有ワクチン接種の安全性に関する疫学調査:静岡 Study

以 上

 

百日咳ワクチン(DTaP)の妊婦への緊急優先接種を求める要望書[PDF:226KB]