中央支部例会 低下する利益率 医療機関を取り巻く環境について懇談

公開日 2025年12月26日

 中央支部は11月18日、千代田区のQwankaで臨時総会を開催し、会員7人が参加した。

 細部千晴支部長の挨拶で開会し、総会議事では中央支部の会員現況や予備評議員の交代の提案について確認した後、医療機関を取り巻く状況について事務局から話題提供をした。

 厚生労働省によると、病院の医業利益率は平均値、中央値のいずれもマイナスとなっており、医業利益の赤字割合は55・2%と過半数を超えている。診療所についても医科診療所全体と入院収益なしの診療所は約40%、入院収益ありの診療所は約50%が赤字であり、すべての医療機関で収益が悪化している。診療科分類別で見ても2023年度から2024年度の比較で利益率はほとんどの科で低下しており、医業収益が減少する一方で、医業費用は増加している。2024年度改定で適切な物価高騰への対応をせず、強引にマイナス改定を続けてきた結果が明らかになっている。

 参加者からは「医療機関の経営状況が悪化しているのを日々感じる。クリニックの存在価値や在り方について考えている」「特に都内は物価高や人件費の問題が深刻だ。診療報酬改定も大きく影響しており、病院だけではなく、診療所も経営が厳しい」「上半期で35件もの医療機関が倒産しているというデータがあるが、倒産の前に閉院したり医師が身銭を切って従業員に給与を払ったり少しでも赤字を抑えようするケースもある。実際はもっと多くの医療機関が倒産になりうる状況だろう」といった声があった。

 その後も、地域の診療の状況や自身の体験談などを語り合い、盛況のうちに閉会した。

(『東京保険医新聞』2025年12月25日号掲載)