公開日 2026年03月30日
東京保険医協会 第113回 定時総会決議
私たちはすべての国民のいのちと健康を守るために国民皆保険制度を堅持し、人々が尊厳を保って平和に暮らせる社会の実現、及び保険医の生活と権利を守ることを目的として活動しています。
昨今の物価高騰、人件費の上昇対応、また不十分な診療報酬の改定により多くの医療機関が厳しい経営状況に追い込まれ、次々と閉鎖しています。2026年度の診療報酬改定率は「本体部分」3.09%引き上げとされましたが、基本診療料はわずかな引き上げに留まり、十分ではありません。今次改定では複雑な要件をつけず、物価高騰や人件費の上昇等に対応して基本診療料を大幅に引き上げることを求めます。
マイナ保険証に関する多くのトラブルが指摘される中、2024年12月2日に被保険者証(健康保険証)の新規交付が廃止されました。全国保険医団体連合会の調査では、2025年8月以降も7割の医療機関がマイナ保険証の資格確認でトラブルを経験し、また、多くの医療機関が健康保険証や資格確認書を使用してトラブルに対処していることが判明しています。患者の受療権を守るため、全ての被保険者が確実に資格確認を受けられる手段を確保することを求めます。
日本国憲法 第25条第2項は、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と国の社会的責務を定めています。ところが、物価高騰で国民が厳しい生活を強いられる中、政府は高額療養費制度の限度額引き上げ、OTC類似薬の自己負担増、高齢者の一部負担割合増を計画しています。社会保障において「公助」の責任を果たすことと、民主主義と地方自治を尊重した住民本位の政策を求めます。
各国間の緊張が高まり、世界情勢が混乱する現在、唯一の戦争被爆国である日本の医師として、私たちは国民のいのちを守る使命に基づき、戦争と核兵器に反対し、恒久の平和を念願します。
第113回定時総会にあたり、以下の項目の実現を希求します。
記
一、医療現場の実態に見合わない低診療報酬を見直し、賃上げや物価高対策として別個の点数を設定するのではなく、基本診療料を大幅に引き上げること。
一、超高齢社会を迎えた時代において、社会保障費の削減は中止し、医療・介護に必要な財源を確保すること。
一、医療機関に対するオンライン資格確認システム導入の原則義務化を撤回すること。
一、全ての被保険者がトラブルなく確実に資格確認を受けられる手段を確保すること。
一、全国医療情報プラットフォーム等の政府が計画する「医療DX」は再検証し、デジタル化に際しては患者の権利と医師の守秘義務を尊重すること。
一、保健所機能・ワクチン行政を拡充し、全ての新興・再興感染症対策に努めること。
一、医療・介護の患者・利用者負担増を行わないこと。特に①高額療養費制度の限度額引き上げ、②OTC類似薬の自己負担増、③高齢者の一部負担割合増は速やかに撤回すること。
一、国民健康保険制度に必要十分な国費を投入して、国保料を軽減すること。
一、多くの人命を奪う戦争と核兵器に反対し、恒久の平和を念願すること。
以上
2026年3月28日 東京保険医協会


