協会勤務医委員会発足へ 勤務医アンケートも実施 要望は「労働環境の改善」「訴訟サポート」他

公開日 2008年09月15日

協会組織部は、9月9日に開催した組織部会で組織部内に「勤務医委員会」を設置し、11月15日に第1回勤務医委員会を開催することを確認した。

昨今、政府・厚労省は勤務医と開業医の対立をあおる方向で医療費削減策を推し進めている。協会組織部は、こうした動きに反対の立場から、両者が手を携えて医療崩壊を防ぐ運動に取り組んでいくことが重要であると議論。去る3月の総会・評議員会で09年度中に勤務医委員会発足をめざす方針を当初かかげていた。

これを受け、7月24日と9月3日の両日、勤務医委員会設立準備会を開催して議論を重ねてきた(写真)。8月には約760人の協会会員の勤務医にアンケートを実施し、一割を超える86人から回答があった(9月10日現在)。

勤務医委員会準備会写真

「協会勤務医委員会に期待するものは?」との設問に対しては、「労働環境の改善」「訴訟関係へのサポート」との回答が多く得られた(グラフ参照:PDFファイル、15KB)。これは、過重労働や、院内トラブル・難クレームの増加などがその背景にあるものと考えられる。

また、自由意見では「年をとってきているのに、当直が多い。若い頃よりもむしろ増えた」「勤務医はハイリスク・ローリターン。何かあったらすぐやめたい。まわりもみんな疲れている」などの深刻な実態が多数寄せられた。

予想を超える反響の大きさに組織部では、勤務医の会員の期待に応えるためにも設立を前倒しし、本年度内の設立をめざすことにした。勤務医委員会では、同じ保険医の立場から勤務医の置かれている労働環境の実態把握や医療現場における諸問題を検討し、保険診療のいっそうの充実をめざして、必要に応じて改善策を提言する等の活動に取り組む予定である。

11月15日に開催される第1回勤務医委員会では、今回実施したアンケート結果をもとに参加者同士が情報交流、意見交換を行う場として開催する。会員であれば勤務医・開業医の別なく参加できるので、ぜひ多数のご参加をお願いしたい。