保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

サルビア会・就労環境部 初のセミナー開催

公開日 2011年07月15日

 サルビア会・就労環境部は7月2日、部発足後初のセミナーを開催した。田中眞希部長をはじめ、32人の参加があった。新田香織氏(グラース社労士事務所)を講師にお迎えし、改正育児休業法を中心に、出産・育児への対応として医院とスタッフがそれぞれの立場からできることをテーマとして取り上げた。

 田中部長は開会挨拶で、医院経営の安定という事業主としての視点と、女性スタッフが多い医療機関で働きやすい場を提供するという雇用主としての視点を男性女性問わず考えていくような部としたいと述べ、広く部への参加を呼びかけた。サルビアという名称については、男性医師の参加を期待し「女性部」という名称を外しながらも柔らかい印象を残すため、ラテン語で救い・治療の意味をもつ花の名前を選んだ旨説明した。

セミナー写真

 新田氏は自身の出産育児の経験から、働き続けるには労働者と雇用主の相互理解が必要であることを強調。ワークとライフの調和がとれて互いに相乗効果をもたらすことがワークライフバランスの本来の意味であり、ワークライフバランスを支援することは、1.生産性の向上を伴い従来の働き方を見直し、2.働く人全てへの支援なので、全員の仕事と家庭の両立支援に通じる、と述べ、様々な経験・立場・制約が魅力ある人間を育て、その多様性が組織を強くすると主張した。

 2012年7月1日に全ての事業所に適用される改正育児休業法は、女性スタッフが多い医療機関では重要な法律となる。3歳前までの子を養育する労働者が希望すれば、原則1日6時間の短時間勤務制度が利用でき、所定外労働が免除される旨盛り込まれた。事業所としてはこれらを制度として定めることが義務づけられた。

 また、国と都の両立支援の助成金各種について紹介し、参加者からは助成金制度の存在を知って良かったとの感想があった。

 新田氏は事例として、「妊娠したスタッフから現在の仕事は体力的に厳しいため軽易な仕事にするよう求められたが、他業務に変更するのは難しい場合、雇用主ならどうするか」と参加者に問いかけた。これに対し会場からは、自身が出産直前まで働いた経験も紹介された上で、スタッフには休み休み働いてもらうことを提案する、いくつか選択肢を提示して選んでもらう、等意見が出された。新田氏は一番良くないのは事業主が退職勧奨や退職強要することで、まずはお互いが話し合うことが重要であるとした。

 閉会挨拶で成瀬清子部員は、またこのような勉強会を開催し学びの場を提供したいと述べて盛況のうちに閉会した。