談話「恥ずべき強行採決 戦争協力の歴史 繰り返すな」

公開日 2015年07月25日

拝殿 清名

(東京保険医協会会長)

7月16日衆議院本会議で安保法案が可決成立しました。国民の圧倒的な反対世論を無視し、憲法違反の法案を強行採決したことに強く抗議いたします。

先の大戦においては、多くの医療従事者が戦地に動員させられ、国内でも日赤をはじめとした多くの病院が軍病院として接収されました。戦時中は多くの医師・看護師が召集を受け従軍したために、国内の医療体制は崩壊しました。そして、戦地における医療従事者の仕事は、負傷者の救護だけでなく、治癒した兵士を戦線に送り返すことでした。戦力を維持し、戦争を継続させる役割を課せられたのです。また、731部隊に代表されるように医学界は戦争協力の痛恨の歴史を負っています。

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私たちはこの歴史から学ぶべきであり、再び医療従事者を戦地に送るような事態を招いてはなりません。国の最高法規である憲法をないがしろにする安保法案は、日本をあやまった道に導くものであります。

人々の生命と健康を守る闘いは、はじまったばかりです。7月21日現在、「STOP!!安保法案 医師緊急アピール」には292人の先生方からご賛同をいただいております。あわせて安保法案に反対するネット署名(上欄)へのご協力を切にお願い申し上げます。東京保険医協会は国民の生命と健康を守る運動の先頭に立つ決意です。

(『東京保険医新聞』2015年7月25日号掲載)