マイナンバーまで1年 医療機関での取り扱いを学習(板橋・豊島)

公開日 2015年05月15日

3月19日、板橋・豊島支部総会を開催した。支部会員ら13人が参加し、総会議案を確認するとともに、来年1月からスタートするマイナンバー制度は医院経営にどう影響するのか、どのような準備が必要かなど、協会税理士団の奧津年弘税理士が講演した。また、本年1月から始まった新難病医療制度について協会事務局が情報提供した。

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2016年1月以降の申告・法定調書・社会保険関係書類などにはマイナンバー記載が必須となる。奥津税理士は、医療機関は「個人番号関係実務実施者」として、マイナンバー運用の義務を無償で負うことになるとして、1)事業所では従業員からマイナンバーの提供を受け、通知カード(紙製)と免許証・パスポートなどと照合し、厳格な身元確認をする。2)関係官庁に提出する税務・社会保険関連の書類にはマイナンバーを記載(入力)して提出。源泉徴収票などにもマイナンバーを記載する。3)マイナンバーが目的外使用や外部流出しないように日常的に管理する。4)マイナンバーが記載された「資料」「データ」は、目的が終了または期限がきたら必ず破棄(税務は法定保存期限7年)する、などと解説した。

さらに、国がマイナンバーの利用拡大を論議していることに触れ、「今国会では個人の特定ができないようにすれば、本人の同意なしに第三者提供ができる『パーソナルデータ利活用法案』の提出が準備されている。これは『ビッグデータ』と呼ばれる膨大な個人情報を活用したい企業の要求に応えるもの」だと法案の狙いを説明。番号制を導入している米国・韓国では成り済まし犯罪や個人情報流出で社会問題化していることを示しながら、「情報の自己コントロール権は基本的人権のひとつであり、個人情報の民間利用を基本的にさせない、拡大させないように、継続的な運動が必要」と結んだ。

(『東京保険医新聞』2015年5月5・15日合併号掲載)