談話「あの日のことを『忘れない』」

公開日 2015年03月15日

成瀬 清子

(東京保険医協会 サルビア会・就労環境部長)

2011年3月11日から4年が経過しました。甚大な被害を及ぼした東日本大震災が東京では風化してきていると感じます。

しかし、原発事故で故郷に帰れない人々、今も仮設住宅で暮らす人々も多く、東京でも被災地から逃れてきた人々がたくさん生活しています。

東京は今、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて都市部の再開発が盛んに行われています。資材高騰や人材不足で東北の復興が遅れているとの指摘もあります。

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原発の恐ろしさを学んだはずなのに、原発の再稼働が行われようとしています。私たちにできることは何なのでしょうか。

サルビア会・就労環境部では2012年度から毎年―気軽に学べる市民講座『3・11を忘れずに向き合っていくために』―に取り組んできました。

被災地からゲストをお招きし、被災体験や復興の状況などをお聞きし、一般市民の方を対象に、災害時の健康管理講座を開催してきました。今年も11月初旬の開催に向けて準備を進めています。

私たちにできることは忘れないことくらいしかないのかもしれませんが、些細なことであってもあの日のことを「忘れない」ための取り組みを続けていきたいと思います。

(『東京保険医新聞』2015年3月15日号掲載)