保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

医療機関への影響を議論 相続税対策と税制改正の動向(中野)

公開日 2015年03月15日

 中野支部総会が2月16日に開催され11人が参加した。開会挨拶に引き続き「相続税改正と今後の税制改正の方向性~私たちの影響を中心に~」と題し、協会顧問の奥津年弘税理士が解説した。

 2015年1月から相続税法が変更され、改正前は基礎控除額が5,000万円+法定相続人1人につき1,000万円は控除できたが、1月以降は基礎控除額3,000万円+法定相続人1人につき600万円と大幅に引き下げられるなど、実質的に増税になった。たとえば相続額2億円を配偶者と2人の子が相続する場合、改正前は相続税が1,900万円だったが、1月以降は2,700万円と、800万円も増税になった例が紹介された。

 一方、贈与時に贈与税を納め、贈与者が死亡したときに、過去に贈与した価額を相続財産に加算して相続税額を計算し、算出された相続税額からすでに支払った贈与額が差し引かれる「相続時精算課税制度」は適用要件が拡大した。ケースによってはこの方式で節税ができる場合があるので適宜活用してはどうかなどの解説があった()。

 請求事務の解説では、難病医療において新制度の通知が出揃わずに行政の対応も不正確な場合があるので、十分に確認する必要がある。協会では会員の質問に答えるとともに最新情報を速やかに提供する予定であると事務局から説明があった。

 最後に中村洋一支部長から、「協会は会員からの要望を取り入れて様々な取り組みをしている。積極的にご意見を寄せてほしい」との呼びかけがあり、散会した。

図 相続・贈与税の2015年1月以降の変更点
    2014年12月31日まで 2015年1月1日以降

相続税

基礎控除 5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数) 3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
税率構造 10%~50%(6段階) 10%~55%8段階
贈与税 相続時精算課税
の適用要件
○贈与者:
贈与をした年の1月1日において65歳以上の者
○贈与者:
贈与をした年の1月1日において60歳以上の者
●受贈者:
贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の者。
贈与を受けた時において贈与者の推定相続人
である直系卑属のみ
●受贈者:
贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の者。
贈与を受けた時において贈与者の推定相続人
および孫
暦年課税の税率変更 10%~50%(6段階) 10%~55%8段階

(『東京保険医新聞』2015年3月15日号掲載) 

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