原発ゼロ大統一行動 福島から被災者が訴え――事故後から状況は何も変わらず

公開日 2014年03月25日

3月9日、原発ゼロを訴える抗議活動「原発ゼロ大統一行動~福島を忘れるな!再稼動を許すな!」が開催され、日比谷公園・国会周辺に3万2,000人が集まった。東京保険医協会からは、協会役員ら17人が参加した。

福島県いわき市で体内、食品、土壌の放射能測定を行っている鈴木薫氏は(いわき放射能市民測定室たらちね事務局長)「福島原発事故では放射能の拡散を予測する『SPEEDI』の情報が隠蔽された。命に関わる重要な情報が隠蔽されたのだ。今、福島の人はあいまいで不誠実な言葉に囲まれ、不安の中で生活している。私たちは被曝の事実を一つひとつ測定して事実を確かめ、皆さんの肩の荷を減らすことを目的としている。福島第一原発事故から3年が経過したが、活動から見えるのは、福島の状況は何も変わっていないということだ。3年目は節目ではない。今年こそは、解決に向けた第1歩を刻むことができた1年にしたい」と述べた。

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当日は音楽家の坂本龍一氏も参加。東日本大震災から1カ月後に作った被災者を追悼する曲を披露したのち、「福島第一原発事故は一過性の天災ではなく、未だ続く人災だ。気持ちの整理もついていない人も多い。東北、福島の困っている人々に寄り添って、その人達の声を届けることに取り組まなければなければならないと感じている」と発言した。

福島第一原発事故から3年。少なくとも13万5,000人の福島県民が避難生活を続けている。政府は2月25日にエネルギー計画案を発表し、原子力規制委員会の規制基準に適合すると認められた原発の再稼働を進めることを明示した。規制委員会は3月13日、鹿児島県川内原発1号機、2号機の審査を優先することを決定。夏にも再稼動がなされる可能性がある。

(『東京保険医新聞』2014年3月25日号掲載)