4月から消費税8%に 200万円を超える負担増も(足立)

公開日 2014年02月05日

協会・足立支部は、11月19日に北千住にて足立支部例会を開催し、会員9人が参加した。

はじめに渡辺 寧支部長より開会の挨拶をし、続いて「消費税の引上げ、医療機関への影響」「新国税通則法への対応と日常経営の留意点」について奥津年弘税理士(東京あきば会計事務所)から話題提供を行った。

2014年4月から8%、さらに2015年10月から10%への消費税率引き上げによる医療機関への影響を解説。試算したモデルケースでは、収入が変わらないとした場合に、経費・納税負担が院外処方で約135万円、院内処方で約235万円程度の負担が増える計算となり、この負担を診療報酬で換算すると少なくとも3~3.5%の引上げが必要になる。

4月から消費税8%に 200万円を超える負担増も(足立)画像

もちろん、モデルケースでは課税対象外の人件費や固定資産税、減価償却費は考慮しておらず、また高額な医療機器を新たに購入する場合の負担増も加味していないため、負担はさらに増える見込みとなる。診療所だけでなく、中小の病院も影響は深刻だ。

協会会員の勤務する病院での試算では、2007年度の年間収入のうちの消費税負担が7千万円、これが10%に引き上げられると1億4千万円となり、現行のままでは病院存続の危機と警鐘を鳴らす。

さらに、消費税増税に関連した経過措置や注意点も紹介。診療所・自宅などの建築や大規模な修繕工事、医療機器の購入などを行う場合、契約の締結日が税率引上げ前であっても、原則として実際の引き渡しや納品がされた日における税率が適用される。ただし、税率引上げの6カ月以前の契約は旧税率による。

またテナントに係る消費税は、税率引上げの6カ月前に貸付が開始(更新含む)された場合は、特殊な契約を結んでいる場合を除いて、契約期間内は旧税率が適用される、などにふれた。

参加者からの質疑では、「海外で消費税率が20~30%の国も見られるが、日常品等への段階税率や還付制度はどのようなものがあるのか」など消費税に関する質問が出された。また、実際に税務調査を受けた参加者から、帳簿の留置など具体的な自験例が寄せられ、活発な意見交換を行った。

(『東京保険医新聞』2014年2月5日号掲載)