TPPは日本が狙い――良質な医療の破壊を許すな(練馬)

公開日 2013年12月15日

練馬支部は10月17日に支部例会を開催し11名が参加した。須田副会長がTPPの歴史、背景、問題点について話題提供し、懇談した。

須田副会長はまず特定秘密保護法案に触れ、その目的が軍事機密保護であり、9条改定と併せて戦争ができる国へ道筋をつくるものとして危惧を示した。また法として整備するのであれば国民に公開させる仕組みこそが必要だと述べた。

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TPPの目的は米国の市場拡大であり、米国が2年間交渉を待っていたのは、日本が震災で交渉参加できなくなったからに他ならないと強調。標的は日本であることを忘れてはならないと述べた。その上で医療への影響として、営利産業化に傾いた結果の患者紹介ビジネス、高額な自費診療での医療格差、指図払いによる保険会社の医療への介入、薬価上昇、効率化による病院集約のため受診困難地域の増加などの様々な問題点を挙げた。政府の医療費抑制策と相まって、良質な医療を提供することが困難になるTPP締結は許してはならないと述べた。また、日本からの通告により1年で破棄できる日米安保条約であるが、TPPによりそれが不可能になると述べ、日米地位協定の安泰のためにTPPが作用する側面を示した。

参加者からは「医療に市場原理をもちこむのが米国の狙いだ。医療者はこれではいけないということを伝えていかなければならない」「医療者は安く買い叩かれるようになる」等発言が出た。全支部訪問中の拝殿会長は「日本文化を破壊しようとするTPP参加は断固認められない。参加を容認する大手メディアに対抗して、運動を拡げていきたい」と挨拶し、盛況のうちに散会した。

(『東京保険医新聞』2013年12月5・15日合併号掲載)