札幌で反核医師のつどい 学ぶ核廃絶・脱原発の道

公開日 2013年11月05日

9月21日・22日に「反核医師のつどい2013in北海道」が札幌で開催され、全国から医師・歯科医師・医学生ら215人が参加した。東京反核医師の会から渡辺吉明代表委員(東京歯科保険医協会顧問)、片倉和彦代表委員(東京保険医協会理事)、向山新代表委員(東京保険医協会会員)と矢野正明委員(東京歯科保険医協会副会長)が参加した。

1日目には村田光平氏(元スイス大使)を講師に招き「世界に学ぶ脱原発―地球の未来のために」と題し記念講演が行われた。村田氏は福島第一原発の事故処理は東電の経営上の危機ではなく、国家の危機、ひいては世界の安全保障の問題であると指摘。日本政府は事故対策本部を設置し、担当大臣を任命して政府が全責任を負う体制を樹立すること、事故処理に対する知見を広く国際的に集めること、政府からも国際機関からも独立した監視機関を設けることが必要であると訴えた。

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また教育講演では黒沢満先生(大阪女学院大学教授)が「核兵器廃絶への道すじ」と題し、核兵器のない世界を目指した最近の国際的な動きなどを解説。今年の4月24日に日本が「核の非人道性」に関する共同声明に対し署名を拒否したことについて、「2012年10月22日に国連総会第一委員会で出された共同声明と異なり、わざわざ核兵器の法的問題についての記載を削除した声明を拒否した。日本が唯一の被爆国と演説しながらも、軍事力を重視する日本政府という今の状況が表れている」と指摘した。

2日目に行われた分科会では「日本における放射線被害の諸問題」と題し、本田孝也先生(長崎県保険医協会会長)は「黒い雨」問題、木村真三先生(独協医科大学准教授)は福島原発事故以降の被曝の状況、西尾正道先生(北海道がんセンター名誉院長)は長年放射線治療をしてきた臨床医の立場からの低線量被曝の問題をそれぞれ報告した。

(『東京保険医新聞』2013年11月5日号掲載)