人事労務セミナーを開催 日常の問題対応を活発に議論(墨田)

公開日 2013年07月25日

協会墨田支部は6月25日、すみだ産業会館会議室を会場に支部例会を開催し、会員、事務長等4人が参加した。今回の例会では、「『ない』と思うな、スタッフトラブル!~雇用にまつわるQ&A~」をテーマに取り上げ、小畑吉弘氏(株式会社日本医業総研マネージャー)を講師に招き、話題提供した。

小畑氏は、診療所や病院で日常起こりうる雇用・労務問題について1)募集・採用時、2)採用後の労務管理、3)退職時等、各ステージに分けて、実際に起きた豊富なトラブル事例をもとにわかりやすく解説した。

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各ステージでのトラブルの要因に共通するポイントとして、1)医院方針の伝達不足、2)採用時の説明・労働条件確認不足、3)気持ち・時間の猶予不足、4)コミュニケーション不足、5)言い方の配慮不足、6)教育不足、などを挙げ、実際にトラブルが生じた事例を紹介し、解決法を示した。特に採用時は、「医院方針の伝達」と「労働条件の説明・確認」が重要であること、採用後には、医院方針に基づく「スタッフ教育」及び「十分なコミュニケーション」の必要性を強調した。

まずはトラブルにつながらないようにすることが何よりも重要であるとし、そのためには「経営理念」・「診療方針」・「院内業務ルール」など院内・クリニック方針のスタッフへの浸透や院長、事務長などへのスタッフからの「報告・連絡・相談」の定着を図ることが、円滑な医院経営をすすめるためのキーポイントになると指摘。

そのうえで、不幸にしてトラブルが生じてしまった場合の解決法として、1)すぐに結論を出すのではなく、「長期戦」で考える、2)しつこく何回もコミュニケーションを取る、3)採用時にトラブルの恐れのあるスタッフは雇わない、等をポイントに挙げた。

参加者からは、「看護師を採用したいが募集をかけても応募がない。どのような募集案内が有効なのか」、「スタッフ採用時は必ず女性スタッフを同席させ、女性の視点を重視している」、「採用については結局のところ、知り合いや様々な人脈通じて紹介を受けた人材の定着率が高いようだ」等、それぞれの立場からの人事労務に関する悩みや意見などが率直に出され、活発に意見交換した。

最後に鈴木哲夫支部長が「墨田支部は引き続き会員の役に立つ話題を取り上げて、支部会議を開催していく。ぜひお知り合いの会員を誘って、ご参加いただきたい」と挨拶し、閉会した。

(『東京保険医新聞』2013年7月25日号掲載)