解説・医療情報のIT化――実施を危惧する声多数(江戸川)

公開日 2013年06月25日

江戸川支部は5月23日、船堀「かりん」で支部例会を開催し、酒井均支部長はじめ9人が参加した。

当日は、田中真希協会理事から「共通番号制と医療情報IT化」について、話題提供があった。田中理事はフリップボードを使い、2016年から開始する予定の共通番号制とはどんな制度か、当面は所得や社会保障などの個人情報を管理するとしているが、民間の活用も検討される。その中で医療情報のIT化はどのように使われようとしているのか、問題点をわかりやすく解説した。また田中理事は、そもそも共通番号法案は国民にほとんど制度の中味が知らされないまま短時間の議論で5月上旬に衆院を通過し、まもなく参院でも採択されようとしていること、ほとんど取り上げなかったマスコミ報道のあり方も問題があると指摘した。

解説・医療情報のIT化――実施を危惧する声多数(江戸川)画像

参加者からは、「国が国民情報を一元管理したら、TPPとの関係で情報はアメリカに売られてしまうのではないか」「情報漏えいの責任は誰にあるのか」「年金も管理できない国家に情報を管理させていいのか」「得するのは営利企業とアメリカではないか」といった制度の実施を危惧する声が多数出た。

そのほか流行している風疹や新3ワクチンの定期接種化と自己負担などの話題から日常診療の話題まで、気軽に意見交換した。

酒井支部長は「前回は須田副会長からTPPについて、今回は田中先生のお話を聞き、現在日本の置かれている危険性が見えてきたと思う。今後も政策の話題だけでなく、審査や経営などのテーマも幅広く取り上げて先生方と学習し、意見交換していきたい」と締めくくった。

(『東京保険医新聞』2013年6月25日号掲載)