TPPと医療を議論 医師として積極的に発信を(荒川)

公開日 2013年05月15日

荒川支部の総会が3月27日に日暮里のホテルラングウッドで開催され、倉岡支部長が議長を務め、13人が参加した。総会では2012年度の支部活動の報告、および2013年度の事業計画についての提案を承認した。議事終了後、石山理事が最近の情勢報告を行った。また、協会の須田昭夫副会長がTPPと医療について話題提供を行った。

アメリカは、自身の権益を組み込むためTPP協議を主導している。10カ国協議というが、GDP構成比で見ると実質日米FTAである。

交渉のなかで、営利法人の医療参入、民間保険の医療への参入、混合診療の解禁などを要求されるであろう。

TPPと医療を議論 医師として積極的に発信を(荒川)画像

また、TPPは一旦入ったら抜けられない。ISD条項(企業に規制を課すと国際調停機関が国や自治体に損害賠償を認める仕組み)、ラチェット条項(一旦緩めた規制はすべての協定締結国の同意がないともとに戻せない)など、国家主権を手放すに等しいTPPの実態を解説した。

懇談では、参加者からTPPを巡り多くの発言があった。「台湾で診療していたことがある。健康保険が十分でなく混合診療が認められている。貧しい層の人には限られた診療しかできないため、心が痛んだ。混合診療は絶対に認めてはいけない」「国民は無関心だし、医師会でもあまり話題になっていない。マスコミはこれを賞賛する論調ばかり取り上げている。このままではTPPが既成事実化してしまう。止めるための方策はないか」等危惧する意見が出された。

須田副会長はいろいろな機会に医師としてTPPの危険性を発信していくことが必要だと述べた。

(『東京保険医新聞』2013年5月5・15日合併号掲載)