協会 診療関連死に係る届出義務問題 古川俊治参議院議員と懇談

公開日 2013年04月25日

協会勤務医委員会は「診療関連死に係る警察への届出義務」に関して、3月14日に協会会議室で自民党の古川俊治参議院議員と懇談した。協会からは、細田勤務医委員会委員長、佐藤委員、竹崎副会長、井上組織部副部長らが参加した。

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協会からは、医師法21条の届出義務の解釈について、「医師が死体の外表をみて検案し、異状を認めた場合に警察に届け出る」「検案の結果、異状がないと認めた場合には届出の必要はない」ことが、広尾病院届出義務違反事件の最高裁判決(確定)で明示され、これを厚労省の田原医事課長も関係する検討部会で追認したことを指摘。診療関連死を全て届け出るかのような誤った解釈が広がった原因として「日本法医学会異状死ガイドライン」「リスクマネジメントマニュアル作成指針」「日本外科学会ガイドライン」をあげ、これら誤った記述を放置してきた厚労省の不作為の責任は大きいと指摘した。

その上で、「こうした拡大解釈を改め、正しい解釈が広がることにより、壊れかけた医師と患者の信頼関係を元に戻したい」と訴えた。さらに、「医師が医療事故の事実を報告すべき相手は、警察ではなく患者とその家族だ」、最善を尽くした医師が刑事罰を負わされかねない状況は、原因究明・再発防止や医療安全に資することはなく、むしろマイナスに働く」と主張した。

古川議員は、「最高裁の判決を前提としても、法医学上の異状という解釈も可能だ。異状の定義は依然として不明確だ。いつ、どう判断されるかわからない。こうした不安定なリスクを医師側が負っていることが問題だ。原因は医師法21条という、あいまいな解釈の余地がある条文が残っているからだ。医師法21条は改定する必要がある」と述べた。

また、「患者が告訴して警察が出てくるというのではなく、きちんと公正なところで判断するようにしたほうがよい。警察が入ると診療が止まってしまう」と述べた。

その他、古川議員が委員の一人として関わった「日本外科学会ガイドライン」について、「その後、モデル事業の開始により、ガイドラインはボツになっているはずだ。学会が通知したかどうかは認識していない」と述べた。協会側からは、「そうした事情は医師側には知らされていない」と指摘した。

(『東京保険医新聞』2013年4月25日号掲載)