診療関連死の届出問題 開業医にも深く関係(城南)

公開日 2013年04月25日

城南支部総会が3月13日に開催され、会員ら16人が参加した。

冒頭、トピックスとして、社保情報「ピロリ菌除菌対象に内視鏡検査において胃炎の確定診断がなされた患者の追加」について、さらにこの3月から7年ぶりに募集再開された休業保障共済制度について報告され、メインテーマの報告に移った。

最初のテーマは「医師法21条の解釈をめぐる問題」、報告者は細田悟理事。死体の外表に異状がなければ警察届出義務はない―これが最高裁も認めた医師法21条の正しい解釈であり、昨年12月には厚労省も同様の見解を表明している。しかし、「死亡に至る過程が異状であった場合にも警察に異状死体の届出を出すべき」という誤った記述が「日本法医学会異状死ガイドライン」(94年5月)、厚生省国立病院部政策医療課(当時)が作成した「リスクマネージメントマニュアル作成指針」(00年8月)などに見られ、それは現在もなお改められていない。

診療関連死の届出問題 開業医にも深く関係(城南)画像

細田理事は「この問題に関わりが深いのは病院勤務医と思われがちだが、先日も4種混合ワクチン接種後に男児が死亡した事例が報告されるなど開業医にも大いに関係がある」と指摘。「2004年、最高裁判決で正しい解釈が確定した後も厚労省は誤った解釈を訂正してこなかった。これにより、医師や看護師などまじめに仕事をしてきた人たちが、たまたま結果が悪かったばかりに被疑者となり人生を変えられてしまった。解釈の訂正を怠った厚労省の責任は重い」と強調し、日常診療のなかで21条が適正に運用されるよう、正しい解釈をさらに広げていくことが大切だと訴えた。

次に「協会に寄せられた相談事例から学ぶトラブル対処法」、事務局から報告した。

実際に協会に寄せられた年間600件ものトラブル事例を分析し、「カルテ開示」「未収金対策」「患者対応トラブル」「従業員雇用トラブル」などの事例を紹介しながら、その解決法について解説。「協会では、会員からのこうしたご相談に応じている。困ったときは一人で悩まずお気軽に経営税務部までご相談頂きたい」と締めくくった。

(『東京保険医新聞』2013年4月25日号掲載)