TPPの問題点と医療トラブル対策を学ぶ(江東)

公開日 2013年04月05日

江東支部は3月12日、江東区亀戸文化センターで支部総会を開催し、会員や会員医療機関のスタッフ等15人が参加した。竹内透支部長の開会の挨拶で始まった総会では12年度の支部活動を総括するとともに13年度の支部活動計画を提案。引き続き医療情勢等について交流と親睦を深める場として支部会議を開催すること、保険医の生活と権利を守る運動や、医療・社会保障を改善する運動を江東区内の実情を考慮しつつ区民とともに取り組むことなどを決めた。

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医療情勢について報告に立った赤羽根巌副会長は特にTPPについて詳細に解説を行った。ひとたび規制緩和すると元には戻せないラチェット条項、投資家が国家に損害賠償を求める紛争解決方法を定めたISD条項、交渉内容を4年間秘匿する秘密交渉であること等、TPP自体の問題点を指摘。医療分野に限っても「アメリカは混合診療の解禁を長年求めている。混合診療が解禁されると格差医療が広がるだけでなく、新たな医療や薬剤が保険収載されない、後発医薬品の使用が制限される、『人の移動の自由化』により海外の医療関係者が流入することにより日本の医療水準や安全性の維持が困難になる恐れがある」と述べ、医療の目的が「生存権の保障」から「儲け」に変質してしまう危険性を強調した。

続いて「協会に寄せられる相談事例から~さまざまなトラブルを未然に防ぐために~」と題し、医療機関でしばしば問題になるトラブルと対応方法について事務局から情報提供した。とりわけ、カルテの開示請求を受けた際の具体的な手順やポイントを詳細に解説。参加者からも「文書で開示請求を受けた際に筆跡で本人確認することは可能か」「資格喪失後の受診について返戻に応じなかった場合に、保険者から電話で現在の資格確認の電話がかかってくることがあるが、教えても大丈夫なのか」といった質問が活発に出された。

最後に丸本副支部長から「TPPもトラブル対策についても聞きたいことはたくさんあるが時間切れとなった。有益な話なのでまた企画したい」と挨拶し閉会した。

(『東京保険医新聞』2013年4月5日号掲載)