インフルエンザの新診断検査方法 体温37度の患者も陽性に(足立)

公開日 2013年04月05日

足立支部は、3月12日に支部総会を開催し、会員8人が参加した。

はじめに渡辺 寧支部長が開会の挨拶をし、つづいて平野浩二協会理事から「インフルエンザの常識が変わる新しい診断検査方法」をテーマに話題提供があった。

平野理事からは、「迅速診断キットはあくまで診断の補助手段であり、主治医の臨床経過に基づく総合的な判断が診断の基本である」との意見を述べ、とりわけ感染初期の患者に対して従来の診断キットでは検出できなかった患者についても感染の有無を検出できる新しい機器を紹介した。

インフルエンザの新診断検査方法 体温37度の患者も陽性に(足立)画像

また、自験例8例を紹介。患者は小学校教師、医療従事者、老人施設の勤務者などで、いずれも体温が37度前後あり、新しい機器で検査をしたところ陽性となった。患者自身にインフルエンザに罹患しているという自覚症状はなく、早期に治療をすることで、周囲への伝染リスクも軽減することができると強調した。

その後の懇談では、「小学校では解熱後2日(幼児は3日)を経過するまでは出席停止とすると定められているが、解熱後1週間経過してもウイルスが出ていたとの報告も聞くので、一律の基準による対応は困難である」、「タミフル等の予防投与について、添付文書では発症した患者と同居・共同生活しているハイリスク群(65歳以上の高齢者など)に限り可能としている。中学受験等を控えた親子からタミフルを希望された場合にどうすれば良いか」、「インフルエンザの検査について、患者によっては月2~4回実施することもあるが減点されてるか」など活発に意見交換を行った。

最後に渡辺支部長が、「今後も引き続き足立支部として会員の意見交換の場を充実させていきたいので奮って参加してほしい」と結び閉会した。

(『東京保険医新聞』2013年4月5日号掲載)