税制改定の影響を解説 消費税増で経営が悪化(杉並)

公開日 2013年03月15日

2月6日開催された杉並支部例会は、昨年11月に改定された国税通則法による変更点、消費増税の医療機関への影響について、東京あきば会計事務所の奥津年弘税理士(保険医サポートセンター税理士団)が講演し、9人の会員が熱心に耳を傾けた。

国税通則法改定により任意の税務調査(納税者の協力を得て行われる調査)では帳簿等を税務署に持ち帰って詳細な調査を可能とする「留め置き」が導入された。留め置きが強制なのか断ってもよいのかは現時点では不明であるが、大改悪である。また「1年以下の懲役、又は50万円以下の罰金」の罰則規定も追加された。

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消費税は今後の情勢等により実施時期は未確定であるが、10%になると院外処方の診療所では経費増が110万円、消費税増加分26万円で136万円利益減少となる。また院内処方では薬剤の仕入れのため経費増が209万円、消費税増加分26万円で235万円の利益減少となり院内処方の影響がより大きいとの試算が紹介された。

その後の懇談で、「医療機関は最終消費者であり、消費税率が上がると経費増となり経営が悪化する。それに見合った診療報酬や薬価等の引き上げを求めることと、医療機関のゼロ税率の適用を求めるべきである」「シリコンの留置カテーテルなどは点数表の材料価格よりも仕入れ値が高く逆ザヤになっている。その他に薬品、検査キットなどでも逆ザヤのものがある。是非、改善要望してほしい――などの意見が出た。

これらを協会の要望事項に反映させるとともに、今後も診療現場からの要望の集約へ協力を呼びかけて散会した。

(『東京保険医新聞』2013年3月15日号掲載)