整形外科会員懇談会を開催 不合理点数、柔整問題…正面から意見交える

公開日 2013年02月15日

整形外科会員懇談会画像

 協会組織部と研究部は12月13日、整形外科会員懇談会を開催し、25人が参加した。協会では各科別会員懇談会を順次開催しているが、今回は整形外科、リハビリテーション科、外科を標榜する会員を対象とした。

 開会で田中眞希理事は「協会役員のうち、整形外科医や外科医の割合が高い。整形外科は独自の問題があるので、その解決のためにも多くの先生方が理事会に集っているのではないか」と挨拶し、引き続き医療情報の電子化や、経営面から見た通所リハと訪問リハの比較、理学療法士の募集・採用の際のコツや、介護保険でのリハビリテーションを取り上げ話題提供した。

 次に話題提供した吉田章理事は、柔道整復施術療養費について「柔整師による施術は急性期と亜急性期の外傷に限られているにもかかわらず、柔整療養費は4,000億円を超えている。手術や薬剤料、画像診断料や維持期も含めた全疾患に対する2009年度の全国の入院以外の整形外科の費用が7,700億円であることと比較すると異常に高額である。しかもこの7,700億円には患者の自己負担額が含まれているが、柔整療養費4,000億円には自己負担分は含まれていない」と指摘。「柔整の保険請求には厳しい審査がなく、水増し、架空請求の報道などもしばしば聞かれ、不正な請求が少なくないことは容易に推察される。この原因が受領委任払い方式にあるのは明らかだと思うが厚労省は対応しようとしない」と述べたうえで、受領委任払いをなくす運動を呼びかけた。

 代表世話人である酒井均理事は整形外科に特に関連する診療報酬点数の解釈について解説したほか、参加者から事前に寄せられた質問についても回答した。

 参加者からは「算定の実例や柔整師の話が大変参考になった」、「保険点数上の不合理点や柔整問題など、今回話題になった問題を世間に訴えていく運動をするにはどうしたら良いのか等、突っ込んだ話し合いが必要ではないか」といった感想が寄せられた。

 協会では今後も各科別懇談会を開催していく。次回は精神科を予定しているので奮ってご参加いただきたい。

酒井 均氏写真

 「算定上の不合理を感じているのは自分だけなのか」「この算定制限はおかしいのではないか」「新しい診療技術を他の先生はどう取り入れているのか」、様々な疑問や不安を共有し、問題解決の糸口を掴めたらいいのではないか、そんな意見交換の場として整形外科会員懇談会を開催しました。

 今回は議題も多く、参加者の自己紹介の時間も取れませんでしたが、今後は一つひとつの問題を深く掘り下げ、ざっくばらんに語り合えるような場に発展させていきたいと思っています。

 日常診療の悩みや苦労を話せる場が少ないなかで、公の場で正面から意見を言える、悩みを相談できる懇談会は保険医協会ならではの魅力です。

 「他科の先生方が整形外科にどのようなことを期待しておられるのか」、そんな視点も他科との診療連携において、これから大切になってくると感じています。課題や問題は山積みですが、その解決へ向けて、情報を共有し力を合わせて行きましょう。

東京保険医協会 理事・整形外科会員懇談会代表世話人
酒井 均