関西電力 大飯原発の再稼動に断固反対する

公開日 2012年06月11日

2012年6月11日

環境大臣 細野 豪志 殿
環境副大臣 横光 克彦 殿

東京保険医協会
公害環境対策部
部長 赤羽根 巖

 福島第一原発の事故原因について、十分な原因究明と総括がなされていない中で、政府は関西電力管内の電力がこの夏不足することを理由に、大飯原発の再稼動を正式に決定しようとしている。このような理由で大飯原発の再稼動を認めることは、現在停止しているすべての原発に再稼動の口実を与えかねないものであり、到底容認することはできない。

 そもそも、この電力不足の試算は2010年夏の猛暑を前提とするなど見積りが過大であるとの指摘が相次いでいる。「日本総研」「ニッセイ基礎研究所」などの推計によると、2011年並の電力消費に抑えれば、関西電力で全原発が停止しても、11年並みの節電に加え、供給余力のある他電力からの融通、自家発電調達などで、ピーク時の電力を確保できるとしているのだ。過大に見積もられた数値を使って、電力が不足すると国民を脅し、閣議決定もされていない原発の再稼動を、世論を押し切って進めようという政府の姿勢は常軌を逸しているといわざるを得ない。

 福島第一原発事故は回復不可能な被害を住民と広大な放射能汚染地域をもたらした。その最大の教訓は、ひとたび過酷事故を起こした原発は人間の力では制御不可能であり、原発には「完全な安全対策」などないということだ。

 よって、本会公害環境対策部は国民の命を守る医師の立場から、国民の命よりも大飯原発の再稼動を優先させる政府の姿勢に断固、抗議する。そして、再稼動を断念して、原発依存のエネルギー政策を早急に改め、脱原発と再生可能エネルギーへの転換、省エネルギー社会の構築に向けた道筋を示すよう、国に強く求めるものである。

以上

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