「東京都保健医療計画(第五次改定)(案)」に係る意見

公開日 2013年01月29日

2013年1月29日

東京都福祉保健局 医療政策部 医療政策課計画係 御中

東京保険医協会
病院有床診部部長 細田 悟

 

 当会は、都内の開業医および勤務医約五千人で構成している団体で、国民医療の向上と、保険医の生活と権利を守るために活動している。当会病院有床診部として、患者に必要な医療を提供するために入院医療の充実や医療機関の経営の安定化を求める立場から以下の通り意見を提出します。

【意見】


1. 療養病床目標数28,077床を堅持すること

(P.34~35:2基準病床数の設定(1)療養病床及び一般病床)

 東京都は2012年度末における療養病床目標数を28,077床と掲げている。しかし、医療と介護を合わせた療養病床数は21,647床(2012年4月時点)にとどまっており、介護療養病床が全て医療療養病床に移行したとしても目標達成するには、その他に6,430床増やさなければならない。

 よって、都は自らの目標数実現に責任を持ち、実効性のある施策を早急に講じること。なお、目標実現に当たっては、療養病床入院患者やその家族、療養病床を持つ医療機関の声を十分に反映させること。

 

2.一般病床からの転換によらない療養病床への財政支援を拡充すること

(P.264:療養病床整備事業の充実)

 東京都が2008年度から実施している一般病床から療養病床への転換等を図るための施設整備費補助は、補助率を1/2とした2008~2009年度の申請病床数が約300床、補助率が3/4に引き上げられた2010年度には約700床に増加した。さらに2011年度の実績病床数は515床と2009年度以前の申請数と比較しても増加している。このように補助内容の拡充は療養病床増床を目指す東京都の計画実現にむけた大きな力となる。療養病床は急性期医療の後方病床としての役割も担っており、このまま療養病床が増えなければ、医療崩壊はますます深刻さを増すことからも、東京都の財政支援策は大変有効である。

 しかしながら、一般病床200床未満の中小病院においては、在宅療養患者の緊急入院の受入れ等在宅医療の拠点機能として、また病院や介護事業所等との地域医療連携体制の構築で地域に根ざした身近な医療の提供体制として、益々重要な役割を担っている。したがって、一般病床数の確保は必要であり、東京都においては、一般病床からの転換によらない療養病床の確保と増設が急務である。

 よって、療養病床への財政支援については、上下水道料金等、公共料金や税金等の減免も含め、あらゆる有効な手立てを講じること。

以上

「東京都保健医療計画(第五次改定)(案)」に係る意見[PDF:146KB]

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